親だけでなく、上手に専門家の力を活用

 息子が未就学のころ、旅先で出会った人に「上手にあいさつできるね。何歳?」「小さいのにお行儀良く食べられて偉いね」と褒められることが何度かありました。

 こういったときに見せた、はにかみながらも誇らしげな子どもの姿は、今でも印象に残っています。知らない人に褒められるというのは、親に褒められるのとは違う喜びがあるようで(逆もしかりで、親以外の人に注意されたことは子どもにインパクトがあります)、それをきっかけに行動が変わることも多々ありました。

 良い循環が生まれることで「頑張ると気持ちいいし、皆がうれしい」という子どもの自覚が芽生え、子連れ旅行も楽になります。

 小学生の高学年に差し掛かると、親が主導の旅育に限界が出てきます。知識レベルが高度になること、そして自我が芽生え、親のコントロールが利かなくなるということが大きな理由。こういったときにはレクチャーは専門家に任せて、子どもと一緒に親も学ぶ側に回るといいでしょう。

 専門家のナビゲートで新しいことに親子一緒にチャレンジし、主な観光地ではボランティアガイドの方に案内をお願いする。博物館や美術館でも、定期的に館内の解説がある施設が増えています。インターネットで調べると、専門家や著名な人の話を聞き、活動を共にできる機会も意外と多くあります。ぜひ上手に活用してみてください。

森の達人に案内をお願いして、福島県の五色沼を散策
森の達人に案内をお願いして、福島県の五色沼を散策

 お子さんの年齢を問わず、旅先であえて親子離れて過ごしてみるのもおすすめです。これについては、次回詳しく紹介しましょう。