競争やクイズにして楽しく学べる目標の設定を

 小学生になったら、年齢に応じて責任感や自主性を育むような役割を与えましょう。

 わが家では、電車の乗り換えを調べて到着までの道案内をする「案内係」、お土産を購入するときに予算内に収まるよう管理する「予算係」、美術館や博物館では、見たいものを他の家族メンバーに聞いてチェックして館内を引率する「ナビゲーター」と、年齢に応じた様々な役割を持たせるようにしました。

 頼られることで責任感が育まれ、うまくできると達成感を味わえます。たとえ結果が十分でなくても、努力を認めて「どうやったらよかったのか?」「何がいけなかったのか?」を一緒に考えることが生きた知恵になります。

 学習に役立つ目標の設定もいいでしょう。私達が姫路城を訪れたときには、家紋をいくつ探せるか親子で競争し(※姫路城は初代の池田家のほか、歴代城主の家紋が色々な所に残っています)、吉野ヶ里遺跡では火おこしや勾玉作りなど、古代の体験をすることを目標に出かけました。

 これらを通して想像力が必要な“歴史”を身近に感じ、後々の勉強でも大いに役立てることができました。

姫路城の家紋。「これだけ見つからないなあ」と息子。史跡も宝探し気分で楽しみながら見学を
姫路城の家紋。「これだけ見つからないなあ」と息子。史跡も宝探し気分で楽しみながら見学を

 収穫体験も、野菜や果物などが実る様子を観察できるだけではなく、周りの風景や気候までをも一体に感じることができ、それは植物の勉強で役立ちます。博物館などを訪れた際には、見学後に互いにクイズを出して勝敗を競うということもしました。これは子どもが興味を持って展示物を眺め、面白いものを発見するきっかけになります。

 他にも、学習で子どもが興味を持ったこと、反対に苦手なことをテーマに、実体験で楽しみながら学べる目標を設定するといいでしょう