安全そうな情報も、組み合わせれば個人が特定できる!

山崎 では、こんな写真ならどうでしょう。ある男の子がスイミングスクールで昇級したときに、自宅の近くで撮影した記念写真です。この男の子は、うれしさのあまり、この写真をインターネット上に掲載しようとしています。でも、実はこの写真には「載せても大丈夫なの?」という情報が隠されています。どれだと思いますか?

児童 「認定書に名前が書かれている」「かばんにスイミングスクールのロゴが入ってる」……

山崎 そうですね。認定証には、通っているスイミングスクールの名前も書かれています。しかしその他にも、場所が特定できる情報があります。男の子だけでなく、背景も見てみましょう。電信柱には、住所らしきものが見えていますよね。この場所を知っている人なら、この写真をどこで撮影したのか、すぐに分かってしまいます。このように、なんでもない写真に見えても、そこにはたくさんの情報が隠されているのです。

 「個人につながる情報」にも、注意が必要です。「学校名」「学年」「よく遊ぶ場所」「通っている塾」などの情報は、それだけでは誰かを特定できません。しかし、これらの情報を組み合わせると、個人を特定できる場合があります。ですから、これからは名前や顔写真のような明らかな個人情報だけでなく、個人情報につながるかもしれないささいな情報も、インターネットに掲載しないように注意してください。

 山崎さんが説明する個人情報の話に児童達は真剣に聴き入っていました。しかし、インターネットで危険なのは「個人情報」だけではありません。この後、山崎さんは、相手の顔を直接見ることができないインターネットの危険性について解説していきます。

保護者や地域の住民向けに、会場で配られた「ケータイ安全教室ポイントブック」
保護者や地域の住民向けに、会場で配られた「ケータイ安全教室ポイントブック」

(次回「スマホ防犯教室 『なりすまし』にだまされる理由」に続く)

(取材・文/秋葉けんた 写真/勝山弘一)