特集「MBAに挑戦するワーママが増えている理由」第6回です。経営学の修士課程、専門職学位課程を修了することで与えられる学位、「MBA」。一昔前は企業から送り出されて、あるいは休職・退職して海外に留学し、取得するのが一般的でした。しかし、ここ10年ほどで国内大学院にも経営学専攻のコースが設立され、働きながら平日夕方や土日に通学し、MBAを取得できる環境が整ってきています。近年は女性の受講生も増加。その中には、仕事と育児を両立しながら、また、育児休暇期間を利用して通学しているワーママ受講生もいます。大学院の現場と、ワーママ受講生の声から浮かび上がる現状をまとめた特集「MBAに挑戦するワーママが増えている理由」。

「ホテル椿山荘東京」「箱根ホテル小涌園」「ワシントンホテル」など、ホテル・リゾート・レジャー事業を広く手掛ける藤田観光株式会社。八丁地園子さん(65歳)は2009年に入社し、常務執行役員を経て、現在は顧問を務めています。55歳で明治大学大学院に入学し、MBAを取得した八丁地さん。出産や親の介護も経ながら積み上げたキャリア、MBAを取得した目的と効果について伺いました。

八丁地園子さん

大学の数学科を卒業後、1972年、銀行に入行。プログラミング、金融商品開発、融資、リスク管理など金融畑でキャリアを積む。プライベートでは23歳で結婚し、31歳で長女を出産。子どもが小学生~中学生の間には、3年間ロンドンへの単身赴任も経験した。子会社転籍で、リスクコンサルティング会社にてシニアコンサルタントを務めていた2005年、明治大学大学院に入学し、MBAを取得。その後、父母の介護で一時職を離れるが、2009年、藤田観光株式会社に迎えられ、経営企画を手掛ける。

「自由に、面白く、役立つ仕事がしたい。そのために出世したい」

 大学で数学を修めた八丁地さんがプログラマーとして銀行に入行したのは40数年前。当時の銀行業界では、女性は5年程度勤めたら寿退社するというのが一般的だったそうです。しかしながら、勤務先の銀行は男女問わず意欲がある人材にはどんどん仕事を任せる社風。八丁地さんは積極的に新しい取り組みにチャレンジしていました。

 「キャリアという言葉はまだ無い時代でしたが、就職した当時から『長く働き続けたい』と思っていました。30歳前くらいからは『出世したい』という気持ちも湧いてきましたね。だって、自分が『会社の役に立つ』と思うアイデアも、上司に反対されたらできないでしょう? 出世して偉くなるということは、会社の役に立てる機会が増えて、仕事が面白くなることなんだ、という感覚がありました」

 そんな思いを上司とも話していた八丁地さん。1986年、男女雇用機会均等法の施行を機に、上司からの勧めで総合職に転換しました。当時は金融の自由化が急速に進んだ時期。八丁地さんは金融商品の開発部門や営業部門でキャリアを積み、30代後半には管理職に就いたのです。

次ページから読める内容

  • 金融技術を深掘りするために大学院へ。「マネジメント」が気になり始める
  • 経営上の判断や部下のマネジメントに「過去事例」の知識が活きる
  • 視野を広げ、既成概念にとらわれない発想力を得た
  • 「学ぶ」という行動が、自分を元気にする

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