近藤 弥生 区長

1959年東京・足立区生まれ。大学院卒業後、1983年より警視庁国際捜査課勤務。税理士を経て1997年東京都議会議員当選、2001年、2005年再選され3期を務める。2007年、任期途中で辞職し足立区長選挙に立候補、当選。2011年再選され、現在2期目。

保育園ニーズを正確に把握することは難しい

―― 足立区独自の課題に、最優先で取り組んできたわけですが、フルタイムで働く共働き世帯に向けた取り組みについてはいかがでしょう?

近藤 小学校では「学童保育室」の他に、区内70の全小学校で放課後対策として「あだち放課後子ども教室」を開催しています。教室や校庭、図書館などを開放して、遊び、自主学習、体験、交流などによる居場所づくりです。このまま2本立てで進めるのか、他区で実施例のあるように一本化していくかは、これからの検討課題です。

 そして、保育園について。フルタイムで働きたいのに子どもを保育園に入れることができず、待機となってしまう区民がいることについて、本当に申し訳なく思っています。足立区の待機児童問題にはかなり地域差があり、保育園に空きがある地域が存在する一方で、足りない地域には新設が必要になるという矛盾があります。


近藤弥生・足立区長

 例えば、これから建設予定の大規模マンションがあります。今までのデータを参考に計算して新たに増えていく子どもの数を予測します。その数字を基に、保育園はこのくらい、小学校はこのくらいの規模で増員すればいい、と計画を立てていくのです。

 ところが、実際の保育ニーズが予測を大きく超えてしまう場合があります。今は女性の就労意欲が高い。さらに景気の動向で、今までより価格帯の低いマンションが売り出されれば、他区の若いカップルが購入し、転入してくる確率が上がる。こうした様々な要因で、数字はあっという間に変わってしまうのです。

 そうした地域は、保育施設をつくっても追い付かない状況になってしまいます。しかも、土地が無い。土地があったとしても避難路の確保が難しいなど、保育園として適しているとは限りません。大規模マンションの中には必ず保育施設を設けるなどしていかないと、対応しきれません。

 また、足立区は広いうえに、荒川で分断されています。陸続きであれば近隣エリアで通える保育園を探すこともできますが、川によって地域が分離されているため、保育園探しが難しいエリアも出てきてしまうのです。そのため、区内のエリアを“メッシュ状”に区切って、保育の需要と供給を分析しています。かつては13の地域に分けていましたが、2012年からは49に分け、より細かな分析を行うようにしています。

次ページから読める内容

  • UR住宅と連携。預かり保育や保育ママによるグループ保育を行う
  • 「治安・学力・貧困の連鎖」の3つに加わった、「健康寿命」の問題

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