2014年の「Workingmama party」に初参加されて出会った小林尚美さん。正社員の働くママが多い中、「派遣社員のメリット」についてお話しされていたのが印象的で、インタビューをお願いすることに。産休・育休も取得できる派遣社員について、そして、ご実家との二世帯同居生活について詳しく伺いました。

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「芸術系の仕事がしたい」という思いで、正社員から派遣社員へ

藤村 大学卒業後、どのように働かれてきたか、小林さんのご経歴を簡単に教えていただけますか?

小林さん(以下、敬称略) 大学を卒業した後、派遣社員・契約社員を経て、大手ゲームメーカーで正社員として勤務しました。若い社員が多く、20代でも色々な仕事を任せてくれる会社だったので、営業として様々な経験をさせていただきました。

 ただ、30歳になったころ、劇場を運営している財団が、広報担当の派遣社員を募集しているのを見つけたんです。私には小学校のときから芸術関係の仕事に就くという夢がありまして。当時から合唱団に所属したり、大学生では芸術学科に入り、舞台照明を学んだり、ミュージカル部に所属して作品をつくったりしていました。その後も様々な舞台に足を運び続け、「絶対いつかは芸術の業界で働きたい」という強い思いを抱いていたんです。

 そこで、「これがラストチャンスかもしれない。とにかく業界に入らないことには……」と一念発起して、正社員の仕事を辞めました。そして、派遣会社に登録後、思惑通り、劇場の仕事に就業。派遣社員になることよりも、ずっと憧れていた仕事に就けることの喜びのほうが私にとって大きかったんです。

産休・育休取得後、保育園に入れてから勤務先の面接へ

小林尚美さん
小林尚美さん

―― その後、妊娠・出産が分かったときはどんな手続きを取りましたか?

小林 派遣社員でも産休・育休はちゃんと取得できるので、登録先の派遣会社のルール通りに申請しました。子どもが1歳になる誕生日の前日までは、育児休暇を取得することが可能です。私は、0歳入園の4月に合わせて復帰しました。

 保育園に入園後、改めていくつかの派遣先から紹介を受け、今の派遣先である大手メーカーでの就業が決まりました。6月までに派遣先が決まらないと保育園を退園しなければならなかったので、ちょっと焦りましたね。

 今の勤務先は芸術の仕事ではないのですが、今はまずは社会復帰して、「朝起きて会社に行く」「仕事をして帰ってくる」という生活のリハビリをしている感じです。いつかは以前の職場に戻りたいと思っています。

―― 育児休暇後、仕事に復帰するに当たって、悩んだことや葛藤したことはありませんでしたか? 色々な思いが出てくる時期ですよね。

小林 正社員とは違って、戻る職場が決まっているわけではないし、辞めることも簡単にできてしまうんですね。保育園入園後に「まだ決まってもいない仕事のために、子どもを預けるのはどうなんだろう」と悩むことはありました。でも、「ここで頑張らなかったら社会復帰しそびれるかもしれない」と。その後、すぐに2人目を授かったので、今の派遣先で働くのは1年限りとなりましたが、子どもを預けて働いた経験があるというのは、今後の再就職活動をするうえでも大きいですし、ちゃんと復帰してよかったと思っています。