ドラマやバラエティー番組などで活躍している奥山佳恵さんは、ヘアメイクアップアーティストのご主人と一緒に2人のお子さんを育てている働くママでもあります。ダウン症の次男の誕生と子育てについてまとめた『生きてるだけで100点満点!』(ワニブックス)を出版した奥山さんに、2人の子どもを育てながら働く秘訣について聞きました。

仕事を続けるうえで夫との連携は欠かせない

——次男の出産から仕事への復帰はどういうふうに決めましたか?

 2011年9月末に次男の美良生(みらい)を産んで、翌年の4月1日から仕事を始めました。生後半年で復帰したことになりますね。私は仕事が大好き。育児だけ、仕事だけ、の生活はアンバランスに感じます。仕事がしたくてたまらなかったんです。

 でも、この仕事は、依頼を受けない限りは復帰できません。私は産後、自分の体力や体調について会社と密に連絡を取っており、ちょうど良く最初の仕事を頂くことができました。体と精神のバランスが取れる、一番いいタイミングで復帰できたと思っています。

——お子さん達の反応は?

 長男の空良(そら)は小学6年生で、次男の美良生は3歳。まだ小さく、寂しい思いをさせることもあるかと思います。でも、仕事を続ける際に私が決めているのは「笑顔で戻ってくる」ということ。

 子どもたちは、お母さんの笑顔が大好き。私が仕事をして、笑顔で帰ってくればきっと喜んでくれるはず。家では彼らと短くても濃密な時間を過ごすように心がけています。

——子どもができる前と後で働き方は変わりましたか?

 時間的な制約が増えたため、夫との連携が欠かせなくなりましたね。夫はヘアメイクアップアーティストで、サロンを一人で経営しています。私に仕事が入ると夫がサロンを閉めて子どもを見てくれるんです。そのため、私のマネジャーさんと夫が直接連絡を取ってスケジュールを調整してくれることもあります。

——連携がうまく取れなかったことは?

 以前、私がドラマの仕事で3カ月間家を離れたことがあったんです。夫もアーティストの専属メイクアップアーティストとして全国ツアーに同行中でした。私の母は仕事で忙しく、頼れません。

 そのときは、長男の保育園時代から支え合ってきたお友達にお願いしました。Aチーム、Bチーム、保険のCチームで順番にパジャマ持参の長男を預かってもらい、そのお宅から保育園に通わせてもらいました。

 長男が3〜4歳のころでしょうか。私がやはりドラマの仕事で3カ月間いなかったときは、同じマンションの方にお願いし、快諾していただけました。わが家と同じ間取りのお宅なので、長男も安心できたようです。その方には本当に感謝しています。ドラマのエンドロールに載せたいくらい!

——長男の空良くんも美良生くんとよく遊んでくれるそうですね。

 空良は木登りが大好きでまだまだ子どもな小学6年生。レゴも大好きですが、丹精込めた作品が美良生に壊されても、悲しむけれどなんとかこらえてくれる、優しいお兄ちゃんです。彼も、美良生を一緒に育ててくれる頼りがいのある仲間の一人だと思っています。