──今は、どんなメーカーがスティックコードレスの新製品を出しているんですか?

 国内メーカーでは、まず東芝とシャープ。その後に日立とパナソニックが続き、今年は三菱が出してきました。どのメーカーも、スティックコードレスには可能性を感じていて、注力してきています。このカテゴリは、これから盛り上がってくると思いますよ。GfKが調べたスティッククリーナーの2月ランキングを見ると、10位以内の製品のうち半数がコードレスで、相変わらずエレクトロラックスとダイソンは強いですが、そのなかで日立が1位を獲得しています。頑張っていますよね、国内メーカー。

──そうすると、掃除機の新製品はスティックコードレスだけで、もうキャニスターの新製品は出ないんでしょうか。

 いえ、そんなことはありません。キャニスターの新製品も、まだ開発されています。キャニスターにもニーズはあって、時間をかけてきちんと掃除したいという人は、やっぱりキャニスターがいいと言いますね。というのも、コードレスは充電しないと使えないから、使いたいときにすぐ使えない。例えば、ガラスを割っちゃったときは掃除機が必要ですよね。でもコードレスの場合、運悪く充電できていなければ、掃除ができないわけですから。

 あと、シニア層の方は、やはりキャニスターでないとダメという人が多いようです。その場合、あまり重い掃除機は持ち運びがつらいということで、小型化が進んでいます。

掃除する場所や状態によって使う掃除機を選ぶ時代に

──なるほど、キャニスターが無くなるわけではないのですね。しかし、戸井田さんの目から見ると、これからはスティックコードレスがメーンになりつつあると。

 はい。つまり、掃除スタイルが変わってくるということなんです。これまでは、毎日キャニスター掃除機で各部屋を掃除していました。しかしこれからは、平日はロボットクリーナーが掃除をして、休日にはそれを補うために、スティックコードレスで隅々を掃除するスタイルが一般的になってくるんだと思います。

 でも、ご家庭からキャニスターが無くなるとは思いません。メーンとしてではなく、いざというときのために持っておきたいということはあります。だから、今使っている掃除機が古くなったからとスティックコードレスを購入しても、古いキャニスターは捨てずにとっておくと思うんですよ。

 GfKの調査によると、現在、掃除機を複数台持っている家庭は増えているそうです。そのなかには、恐らくスティックコードレスやハンディークリーナー、ロボットクリーナーと共に、古くなったキャニスターも含まれているはず。掃除する場所や状態によって使う掃除機を選ぶというような、そんな時代になってくるのでしょうね。

家具の下や階段など、ロボットクリーナーやキャニスターで掃除しにくい場所は、スティックコードレスで掃除する(写真の製品は、東芝のVC-CL1200)
家具の下や階段など、ロボットクリーナーやキャニスターで掃除しにくい場所は、スティックコードレスで掃除する(写真の製品は、東芝のVC-CL1200)

調査会社にも聞きました

 近年、掃除スタイルが変わってきています。以前は、週末など時間が取れるときに、キャニスタークリーナーを使って家中を掃除する「まとめ掃除」スタイルが主流でした。しかし、最近ではコードレススティッククリーナーやハンディークリーナーを使った「こまめ掃除」スタイルが広がりつつあります。特にコードレスタイプは電源の抜き差しが不要なため、気づいた時にこまめに掃除をすることができます。毎日きれいな部屋で暮らせるようになることから「まとめ掃除」より衛生的と言えます。

 また、階段はハンディークリーナー、布団は布団クリーナーというように、用途に応じて掃除機を使い分ける人も増えてきています。一家に複数台の掃除機があるというのも、珍しい話ではありません。(ジーエフケーマーケティングサービスジャパンの加藤俊平さん)

(解説/戸井田園子 取材・構成/井上真花)

(この続きは、「スティッククリーナー、重要なのは吸引力ではない?」をお読みください)

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