4年間で、保育園はほぼ全て回った

―― 青木区長は現場主義だと伺いました。

青木 はい、そうです。葛飾の公共施設は、保育園、児童館、公園、高齢者施設などすべて合わせて約400ありますが、区長になってすぐに、それをすべて見たいと思い、空き時間を見つけては「今日は3カ所行こう」などと決め、少しずつ見てきました。

 この4年間で、保育園はほとんど全部見て回りました。「保護者の方が接するのと同じように、先生方が愛情を持って子どもを抱いたり、寝かしつけたりしているな」「給食も美味しそうなものを作っているな」などと現場の様子を知ることは、実際に自分の目で見てみないと分かりませんから。「100人待機児童が出た」といった数字を知ることも大切ですが、現場の状況がどうなっているかを見ることも大切です。

 子どもが危ない場所に入らないように、園内のあるスペースに仕切りを作った方がよさそうだと気付けば相談して、区の作業班をすぐに向かわせるようにしています。そのような改善点も、実際に見に行って初めて分かるのです。保育園側からは、本当は「区長が来るなんて面倒だな」と思われているかもしれませんが(笑)。保育士さんが苦労していることも分かりますので、何か問題があれば保育園の担当部長に話して、解決するように努力しています。

 区の施設に行くときは秘書と一緒にいくことも多いですが、他の行事への参加は基本的に一人で行っています。昔は、何人も連れてうろうろしていたようですが、そんなことをしたら時間も取れないですし、身軽ではありませんから。

 全ての活動の最終目標は、住んでいる人が「この街に住んでいてよかったな」と誇りを持てるようになることです。それは、子ども、働く人、お父さんお母さん、高齢者、障がいを持っている方、区民みんなです。

 子どもが元気に育っていれば、親もおじいちゃんもおばあちゃんもうれしい。お父さんお母さんも、安心して働きに行くことができる。おじいちゃんとおばあちゃんが、元気に幸せに過ごしていれば、子どもも孫もうれしい。

そしてなにより、自分達がおじいちゃんおばちゃんになったときに、幸せな生活を送れるんだと思えると、将来の希望や夢も持てるようになると思うんです。

(ライター/西山美紀、撮影/稲垣純也)

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