岸谷香　子どもの安全を守るのは、親の役目だと思う

息子には「友達をうちに連れておいで」と言ってます

　でも、中学になると親の集まりなんて一年に1回くらいしかないし、親同士が知り合う機会もぐっと減りました。「今、仲がいい子ってどんな子ー？」なんて聞いても、思春期真っただ中の息子から「詮索するな」という目で一瞥されて終了。そりゃそうだよね。親につきあう友達のことをあれこれ言われたくないよね。私もそうだったし。

　なので最近は、「友達をうちに連れておいでよー」って言うんです。そして、息子の友達が遊びに来たら、「お母さんに“無事に家に着きました”って連絡するから、お母さんのご連絡先教えて」って、ここぞとばかりに親御さんに連絡して、ママ友に（笑）。

　私が子どもの頃は、まだ近所のおばちゃんとか親以外の目もあったけれど、今は本当にそういうのが少ないから、私は私なりに、自分の子どもたちとも、その友達とも、何かしらのサインが分かるようなつながりを持っておきたいなと思う。

　でも。結局、最後は親の直感が正しいんだろうな。

　「お母さんの見立てのほうが、医者より正確なことが多いんですよ」

　いつだったか、小児科の先生に言われたことを思い出します。その先生は、「親が子どもに対して感じることって、割と絶対なんですよ」って言ってらして。そうかもしれない。「あ、これはインフルエンザにかかってるな」と思うと本当にそうだったり、「体調悪いって言ってるけど、今日は大丈夫だな。学校行かせよう」って根拠なく思って、朝送り出すと、夕方にはすっかり元気な感じで帰ってきたり。

　親として、愛情を持って接していれば、親の直感もちゃんと働くかもしれない。直感を正しく働かせるためにも、環境を整えたり、ママ同士でつながったりしていきたいなって思ってます。

（ライター／松田亜子、撮影／白井裕介）