今、時短勤務で働く人達に対する周囲の評価は様々です。時短でもフルタイム同様に精力的に働いている人と、逆に、非正規のパート社員と同じ感覚でいる人との二極に分かれているようです。
 時短勤務は、時間という視点で見ると、仕事と子育てを両立するうえで便利な制度です。ただ、今後の長いキャリアを考えると、家庭の事情や、子どもや仕事の状況などをトータルに考え、「フルタイムに戻す、自分にとってのベストなタイミング」を自分自身でしっかり検討することをお勧めします。
 時短勤務をやめるとどうなるでしょう。例えば、保育園への送り迎えの時間を変えざるを得なくなったり、余裕を持った家事・育児は難しくなるかもしれません。
 逆に、プラスに働くこともあります。責任のある仕事、職場での対等な関係、給与・賞与のアップ、家事・育児の軽減、家族・家庭のことについてのパートナーとの対等な関係…。もちろんそこには、残業もあれば出張も当たり前、という状況も含まれます。フルタイム復帰のイメージがしづらい人は、少し長い目で見て育児をどうしていきたいか、どう働き続けたいか、家族や仕事への思い、自分の価値観をしっかり考える時間を設けてみてはいかがでしょうか。

フルタイム勤務にシフトするときに考えておきたい3つのポイント

 フルタイム勤務について検討しようと思ったら、次のことを整理してみましょう。

●自分でやりたいこと、自分が大切にしたいこと(例:子どもの送迎、子どもの教育、家事、仕事、評価、時間、給与など)
●フルタイム勤務に戻した後のパートナーとの家事・育児のシェアの理想像
●パートナー以外のサポート体制(祖父母やファミリーサポートサービス、民間サービスも含む)

 これらの課題をすべて一人で抱え込もうとするのはやめましょう。パートナーや職場の先輩ママなど、いろいろな視点を持つ人に相談することによって初めて見えてくる解決法があるかもしれません。
 時短制度を利用してきたけれど期限より早めにフルタイム勤務に復帰する人もいますが、理由はその人の状況によって様々です。「子どもにある程度手がかからなくなり大丈夫だと思ったから」「仕事をもっとしたいと思ったから」「経済的に早く戻したかったから(家のローンのため)」「このままだといつまで経っても時短生活のパターンから抜け出せないから」「1人目のときはたっぷり取ったが、2人目で慣れているから」などなど…。
 時短勤務からフルタイム勤務に戻して仕事で成果を上げている人は、「周囲との関係構築が上手な人」が多いようです。これについては意識次第で変えられそうですね。自分の仕事に対する価値観を再認識するためにも、またフルタイムになったときの生活面での体制を検討するためにも、「自分にとってのフルタイム復帰のタイミングはいつがよいか」を意識しながら、仕事に取り組んでいきましょう。

 さて、先輩たちは、どのように時短勤務で働いているのでしょうか。