いい学童とは?――いい指導員がいるところ

 「いい学童とは?」と質問されたら、私は、良い指導員がいるところ、と答えます。「学童がつまらない」と子どもが行きたがらない、という話も多いのですが、それは指導員に問題があるのではと思うのです。子どものことをしっかり見てくれて、子ども同士が生き生きと遊び、楽しく通える、ということを大切にしてくれていれば、子どもも通い続けることができます。教育的なことをさせているかどうかよりも子どもが安心して過ごせているかが大切です。

 できることなら希望する学童を見学させてもらい、指導員の話を聞き、「子ども達の生活はどうですか?」と質問してみると、指導員の考え方も伝わってくると思います。
 学校が終わったら、子ども達は学童保育に「ただいま」と言って帰ってくるのが基本です。学童は、子どもにとっての〝生活の場〟となります。指導員は2~3人。うち、正規の職員は1人で、残りは補助、といった場合が多いようです。15時くらいになるとおやつを食べて子ども達に休憩をさせ、指導員と子ども達が会話をします。その他の時間は学童保育室か、小学校併設の場合は校庭で元気に遊ぶ、というふうに子ども達は思い思いに過ごします。

 学童保育では、「遊びの指導ができる者が指導員になる」ことになっているため、伝統的な遊びを教えてもらうことも多いもの。けん玉や大縄跳びが上手になったり、校庭でドッジボールをしたり、最近では一輪車を練習する子も多いようです。
 夏休みなどの長期休暇になると、朝から学童に通うことになります。通常の小学校の登校時間よりも少し遅くなることもあるので注意が必要です。帰宅は、17時までに帰る子どもは一人で帰宅しますが、それ以降の暗くなる時間帯に帰る場合は、保護者のお迎えをお願いしているところもあります。

「習い事との併用」については学童の状況も事前に調べて

 学童保育の審査基準は、保育園と同様、親の働き方などによるポイント制になっているところが多いようです。しかし、例えば週3日くらい習い事に行くために早退をしていると、次の年は必要度が低いと判断されて「もうお辞めください」と言われる、というのは割とよく聞く話です。一方、習い事をするのは自由で、学童を出なければいけない時間には声をかけてくれる、といったところもあります。「学童と習い事を組み合わせたい」と思っている場合は、わが子が通うことになる学童はどうなのか、あらかじめ調べておくほうがいいでしょう。

 とはいえ、習い事を平日に入れて一人で移動させるのは、低学年のうちはあまりお勧めできません。もちろん、子どもにもよります。安全に気をつける力が備わってきて、その習い事に行きたいという強い気持ちがあるようなら、踏み切ってもいいかもしれません。一緒に通えるお友達と誘い合って行くのもいいでしょう。

学童で宿題はできるのか?

 もう一つ、親の気がかりは「学童で宿題ができるのか」ということですね。
 学童の指導員は、教育はできないので「宿題をやりなさいよ」と声かけはするものの、実際に算数を教えたり、といったことはほぼありません。「家に帰ってからだと大変だから、学童で宿題はやっておこうね」と親から子どもに伝えておく必要があります。

 小学校では、以前よりも宿題がたくさん出るようになっています。子どもは夜遅くまで起きてはいられないので、自宅に帰ってからの短い時間で「明日の準備をしたり宿題をしたり」と、とても忙しくなります。小学生になると、親がやってあげるのではなく、子どもが自分でやらないといけないことが増えることを覚悟しておきましょう。
 公設の学童の場合、預かってもらえる時間はほとんどが18時まで。「保育園並みに保育時間を延ばしてほしい」と多くの親は思うものですが、子どもも疲れている、ということも頭に置いておきましょう。

 小学校に入ってからは、子どもが家でゆっくり安心して休んだり、親と夕食を食べながら話をしたり、宿題の残りをしたりする、といった時間が保育園のときより大事になってきます。
 小学校に入ると、だんだん自分でなんでもできるようになってきて、子どもの様子が見えにくくなります。親のほうも無意識のうちに目を離しがちになる。何かトラブルがあったときに「気づいてなかった!」ということがよくあるので、やはり、親子で話す時間がこれまで以上に必要だと思います。勉強のことや学校生活のこと、何か困ってないかな、と、目を配ってやりたいものです。

小1の壁というのは、家庭で一緒に過ごす時間を増やさざるを得ないこと

 「小1の壁」というのは、延長保育がなくて預かってくれる時間が短い、ということではなく、家庭で一緒に過ごす時間を増やさざるを得ない、ということでもあるのです。
 そうはいっても、両親が働いていると、時間的な制約はどうしてもあるのが現実ですね。

 小学1~2年生というのは、〝できる〟ことがどんどん変わっていき、自立していく時期です。その時々で一生懸命に対応していれば、いつか子どもは立派になんでも自分でできるようになり、精神的な部分でもだんだんと自立していきます。新しい環境に慣れるまでは親も仕事との両立が大変ですが、子どもの話をしっかり聞き、子どもがどういう状況になっているのかを見守りましょう。

 「小学生になったら残業ができる!」と思っていた人がいたら、修正してください。特に1・2年生の時期は、それまでよりも少し家庭での時間を長くするくらいの覚悟が必要かもしれません。
 子どもはだんだん学校のやり方についていけるようになり、自分で判断できるようになります。小1の壁になんとか耐え、しがみついていれば、いつか親子一緒に越えられる!と信じましょう。

(監修・執筆/普光院 亜紀 『共働きファミリーの仕事と子育て両立バイブル』より)

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