現在、小学校1年生の子どもを持つワーキングマザー達が、子どもの小学校入学をこれから迎える人達に向けてアドバイスやノウハウを語る座談会。前回までの記事(「子どもの小学校入学で宿題、防犯、働き方に不安」「小学1年生のママ・パパは働き方をどう調整したか」「小1に一人留守番はハードルが高かった)」に続いて、帰り道の防犯対策や、子どもが抱える心理ストレス、帰宅後のタイムマネジメントなど、入学前の心構えについて伺いました。現役小学生から保育園児のママまで、ぜひご参考にしてください。

【座談会参加者プロフィール】

●鹿島さん(仮名) 外資系企業勤務。子どもは小学1年の娘と、10カ月の息子の2人。フランス人の夫は育児に非常に協力的だが、仕事は多忙を極める。両親は関東近郊に住んでいるが、日々のお迎えなどでは頼れない。

●竹田さん(仮名) 高校教員。小学1年の娘が1人。同じマンション内に自分の両親が住んでいる。夫は夜の帰りが早ければ夕飯を作って子どもに食べさせるなど、普段から育児に協力的。

●杉山さん(仮名) 外資系企業勤務。小学1年の息子を育てるシングルマザー。海外出張が多く、そのときは関東近郊に住んでいる両親に預けるが、普段の生活では長年お願いしているシッターさんが頼み。

防犯ブザーは機能していないのでケータイは必須

羽生祥子編集長 皆さんは入学した後の子どもの防犯対策として、具体的にどんなことをしていますか?

杉山 うちは子どもに携帯電話を持たせているので、大通りを歩いて駅で私と待ち合わせるまでの道中は、ずっと私と携帯で話しながら歩いています。学校は基本的に携帯を持ち込むことは禁止なので、一度、先生に見つかって「持ってこないでください」って言われたことがありました。

 でも、確かに学校の勉強には必要ないけれど、学校の外で起こることに学校が責任取ってくれるわけじゃないから、そんなことを言われるのはおかしいなと思って、「うちは私が働いているし、持たせます」と伝えました。それでダメとは言われていません。

鹿島 うちも携帯電話を持たせるための届け出をしています。やっぱり持たせておきたいですよね。

杉山 最低限、子どもがSOSを発することができるという意味でも安心。学校で配られる防犯ブザーはGPS機能が付いていないですし、鳴っても周囲の誰も反応しないし……。

―― 防犯ブザーはほとんど機能していないですね。夏に授業参観に行ったら、帰りの会が終わった後ふざけたり紐がひっかかってしまったりで、ひぐらしのようにみんなのブザーが鳴っていました(苦笑)。皆さんは、知らない人に声を掛けられたらどうするかを、お子さんと話していますか?

竹田 娘は「声をかけられても行かないよ」と言っています(笑)。ニュースのたびに、ついていっちゃダメだよという話を私がするのですが、女の子だからなのでしょうか、「そんなの知ってる」って。

鹿島 まったく同じです。うちの娘も「そんなの行くわけないよ」と言いますね。「何言ってんの」みたいな感じで。

―― 私の娘も、「もしそんな人がいたら、バカじゃないのって挑発して逃げてやる」と言うから、「挑発したらダメ! それでカッとなって殺してしまった犯人だっていたんだよ。透明人間になったと思って通り過ぎなさい」と慌てて言い聞かせたら、さすがに神妙な顔をしていました。