保育園や学校から帰ってきて家族と一緒に過ごす家。幼い子ども達にとって、どんな家で暮らすかが、その成長に深く影響することは言うまでもありません。家づくりの工夫やちょっとしたアイデアの数々を、『子どもの心が育つ魔法の家のつくりかた』(梧桐書院)よりお伝えします。今回紹介するのは「あいさつが自然に飛び出す家」がテーマです。

 「ただいま」の声もないまま、子ども達が玄関から自室に入ってしまう。お客様が来ていても、「こんにちは」どころか、テレビやゲームの画面から目を離さなかったりする。

 「ちゃんと、あいさつしなさい」と言葉で何度言っても、子ども達は素知らぬ顔。

 実は、あいさつをしたくないのではなく、人見知りをしていたり、改まってあいさつするのが恥ずかしかったり、子ども達なりの理由があるのかもしれません。

 あいさつを交わせば、無意識のうちに心もキャッチボールをします。人とかかわりあう最初の一歩は、この目に見えないキャッチボールから始まると言えます。

 無理強いするのではなく、あいさつしやすい環境を整えることも大切です。今回は、そんな見えないキャッチボールが自然にできる間取りを考えてみます。

 次ページからは、『子どもの心が育つ魔法の家のつくりかた』の本文より家づくりのヒントを紹介します。