統計データを使って、子育てや教育にまつわる「DUALな疑問」に答える本連載。今回は「共働き夫婦の1日の活動」について取り上げます。

 同じ共働きでも、妻の家事・育児の負担が平日・日曜ともに夫より重いのがビジュアルで明らかに。女性の社会進出は進んでも、その条件となる男性の「家庭進出」はまだ進んでいないのです。

 こんにちは。武蔵野大学講師の舞田敏彦です。前々回の記事「夫の家事分担率、1位は島根、最下位は大阪」では、共働き夫婦の家事・育児時間をみたのですが、人間の生活はそれだけからなるのではありません。睡眠・食事などの第1次行動、仕事・家事などの第2次行動、休息・レジャーなどの第3次行動という領分があり、これらの均衡がとれている状態が望ましいと判断されます。

 今回は、共働きママ・パパのトータルな1日を描いた統計図を見ていただこうと思います。といっても、働きながら子育てをしておられる皆さんの関心事は、仕事や家事・育児の比重がどれほどかでしょう。よって、この部分に焦点を当てられるのもよろしいかと思います。妻と夫の図柄の違いにも注目。ここで提示する素材を、いろいろな角度から眺めてみてください。

共働きママは朝6時から戦闘開始

 総務省の「社会生活基本調査」から、1日の各時間帯(15分刻み)の生活行動分布を知ることができます。たとえば朝の7時15分〜30分の時間帯において、寝ている者が何%、食事をしている者が何%、通勤している者が何%…というようなデータです。これらをつなぎ合わせることで、1日の生活行動図ができ上がります。私は、6歳未満の子がいる共働き夫婦の図を作ってみました。まずは、平日の妻の図をご覧いただきましょう。

 夜中は大半が寝ていますが、朝6時頃からちらほらと起き出し、洗顔などの身の回りの用事(雑事)や朝食の準備などに勤しみます。子どもを起こし、食事・着替えをさせ、保育所に送るなどの育児も朝のタスクです。

 こうした「闘い」の朝を終え、9時以降になると仕事の領分が大きくなります。パート等のママも含まれていますので、だいたい半分くらいです。残りは変わらず、自宅で家事や育児を続けています。午後は休養や趣味などの第3次行動がちょっと増えますが、夕方になると保育所のお迎えや夕食の準備など再び慌ただしくなります。

 ひと息つけるのは、子どもをお風呂に入れ、寝かしつけた21時以降でしょうか。その後は就寝ですが、育児の領分が深夜にもあることに注目。夜泣きをする子をあやしたりするのも、この中に含まれるでしょう。幼子の育児は、24時間にわたることもうかがわれます。