長い目で見ると、低コスト投信がおすすめ

 どれだけ節税効果があっても、投資で失敗して、もっと大きな損が出たら意味がないと思う人もいるでしょう。しかし個人型確定拠出年金は、投信だけでなく預貯金も対象です。投資の損が怖い場合は、預貯金を対象にして節税メリットだけを受ける手もあります。

 ただし、老後までは非常に長い時間があります。これまでこのコラムで書かせていただいたように、低コスト投信を使って世界全体に積み立て投資していれば、世界経済の成長に伴って資産をゆっくり増やすことは可能です。個人型確定拠出年金でも、ぜひ預貯金ではなく、低コスト投信を使って長期で世界全体に投資を続けることをおすすめします。

 

 個人型確定拠出年金は、選んだ金融機関によっても異なりますが、通常は手数料が年2000~6000円程度かかります。ただし、よほど小さな金額での掛け金にしない限り、大半は所得控除に伴う節税効果が大きく上回ると見られます。運営管理機関の中には、SBI証券やスルガ銀行のように、一定の条件で運営管理機関分の手数料がゼロのところもあります。

 投信を選んだ場合、投信を持っている間はずっと「信託報酬」がかかります。金融機関によって投信の品ぞろえは玉石混交ですが、できれば信託報酬が年に0.7%未満のインデックス(指数連動)型を選んだほうがよいでしょう。インデックス型は、例えば日経平均株価、米国のダウ工業株30種平均などの指数に連動する、低コストの投信です。長期になればなるほど、投信のコストが成績に大きな影響を与えるため、これをおすすめします。

 運営管理機関の一覧は、制度を所管している国民年金基金連合会のホームページで確認できます。手数料や投信の品ぞろえを見て、選びましょう。