避難所での6歳の女の子とのコミュニケーションをロールプレイで学ぶ
今回、PFAを学ぶセミナー参加者は、以下の場面設定でのロールプレイに取り組みました。
さて、2人1組でペアになり、それぞれ女の子と支援者の役を分担します。支援者は3つの行動原則(見る、聴く、つなぐ)を意識して、女の子の状況を把握し、次の行動に移していかなければなりません。
ここで「ニンジンを食べないことと、お母さんがいなくなったことは関係ないよ」と即座に諭してしまうのはあまり好ましい対応ではありません。4~6歳くらいまでの子どもは、前回説明したように「自分が何かをした結果、こんなことが起きてしまった」という、大人にとっては理解できない原因と結果を結び付けてしまう「マジカルシンキング(魔術的思考)」を持っていることがあるからです。
その特性を踏まえ、最初に自己紹介をしてから、「ニンジンが嫌いなんだね。私も子どものころは苦手だったなあ」「そうか、6歳なんだね」と、会話のきっかけを作っていきます。
次は、顔が描かれたかわいいパペットを使って、再度、ロールプレイを行うことに挑戦です。パペットのように、何か第三者の力を借りながらコミュニケーションをする「トライアンギュレーション」という手法は、特に年齢の低い子ども達とのコミュニケーションに有効です。
「こんにちは! 僕はパペットくんです。あなたのお名前はなあに?」「6歳なんだね。ここで一人で何してるの?」というように、パペットと子どもが会話するようにしていくことで、前よりずいぶんやりやすくなりました。間にパペットを挟むことで、子どもも話しやすくなるといいます。
支援者として知らなくてはいけないのは、その子が保護者から離れてどのくらい長くその場所にいるのか、食事を取っているのかいないのか、といった基本的ニーズに関する情報です。
パペットを使うのは小学生くらいまでですが、トライアンギュレーションという手法は中高生にも使えます。例えば、有名なスポーツ選手や芸能人の話を出しながら、その話題を通してコミュニケーションを図り、その子どものニーズを探ります。