想像以上のダメージが子どもには残る
「もうすぐ小学校が始まるけど、津波が怖くて行きたくないよ」という小学6年生の男の子。誰とも交流せず、避難所の隅でうずくまる6歳の女の子。「早くがれきが撤去されないかな。うちのおじいちゃん、まだ出てきていないんだよね~」「あ、うちも、おばあちゃんが出てきていないよ」と普通におしゃべりしている女子高生達。子どもと積み木で遊んでいたときに、「一番仲のいいお友だちはだれ?」と何気なく聞いたら「津波で流されちゃった子」と返されたこと。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、東日本大震災復興支援事業部、プログラム・スペシャリスト、赤坂美幸さんが東日本大震災発生直後から被災地支援の現場での経験を語り出します。
「災害直後の子ども達の言葉にどう反応したらいいのか? そのたびにスタッフは悩み、仲間と話し合い、また現場に戻るという状況でした。年齢によって、掛けるべき言葉や反応が異なってくるのも悩みどころでした」と赤坂さん。
「そして、2013年11月、『子どものためのPFA』がデンマークで開発され、私はすぐ指導者育成研修に行きました。これはWHO版PFAの内容を踏まえつつ、子どもに焦点を当てた内容となっています。ここでいう子どもとは、0歳~18歳未満を指しています。個々人の認知発達段階を理解することで、よりその年齢に合った、緊急時のコミュニケーションが可能になります」