1分の動画から読み取れることを、グループでシェア

 「これから1分の動画を見ていただきます。誰がどんなことをしたか、周りの様子はどうだったか、気が付いたことをすべて、手元の付箋に書き込んでください」

 動画はアニメーション。被災地の緊急避難所風の場所で、姉弟らしき子ども2人がトボトボと歩いているところから始まります。周辺は荒涼として、弟は足にけがを負っているようです。支援者らしい女性が近づきます。女性がかがんで子ども達と目を合わせ、何か問いかけました。姉のほうがいきなり早口でまくしたてますが、どちらも私達には理解できない言語です。女性は熱心にメモを取り始めました。

 話を聞き終わると、女性が指し示す方向に、支援者のテントらしきものがあり、スタッフが手を振っているのが見えました。女性が子ども達の意思を確認すると、女の子が笑顔になりました。3人は支援者らしいテントに向かって歩き出しました。ここで動画が終了します。

セミナー中に流された1分のアニメーション動画。左側の赤いTシャツを着ている人が支援する側の大人。右の2人が被災した子ども
セミナー中に流された1分のアニメーション動画。左側の赤いTシャツを着ている人が支援する側の大人。右の2人が被災した子ども

 テーブルごとにメンバーが付箋に書き出した要点をまとめると「子どもの様子」「大人の様子」「周りの雰囲気」などに分類されました。付箋に書かれているのは「ここは緊急避難所?」「音も無く静かな場所」「子どもだけで歩いているのが異様」「支援者がいるようだ」「支援者らしい女性は、子どもとの距離を適度に取っている」「女の子はなぜ早口?」「男の子がけがをしているのが気になる」「食べ物は無いのか?」など……。

 各テーブルの代表者が、気づきをまとめて発表しました。