「仕事と家庭の両立を可能にする働き方の実現に取り組んでいる官僚の勉強会に来てみませんか」、と誘われたので行ってみた。

 1972年生まれの私とほぼ同世代の官僚たちが省庁の違いを超えて集まり、それぞれの職場での取り組みと課題を報告し合っている。先日、厚生労働省の官僚で「霞ヶ関から働き方を変えよう!」という取り組みをしている河村のり子さん(彼女の働きかけによって、それまでは徹夜が慣例だった大臣の国会答弁のための作業が、前日の夕方までに終わるようになったという ※関連記事はこちら)に話を聞いたときにも「ほんとにこれから日本の働き方が変わるかもしれない」と希望を感じたのだが、この会合でも男女ともに子育て世代の官僚たちが活発に議論をしていて、なんだか心強かった。

官僚の世界でも共働きが着実に増えている

 公僕なのだから私生活を犠牲にしてでも働くべき、という美学がある官僚の世界で、それを可能にしていたのは専業主婦の妻たち。でも若い世代は共働き夫婦が増えているそうで、そうなると男性も女性も、今まで通りの働き方では現実的に無理がある。そんな当事者たちが実際に組織を変え始めているのだ。

 が、やはり話の通じない人はたくさんいるという。霞ヶ関に限らず、ワークライフバランスってやつに取り組んでいますよという建前ばかりが先んじて、実態は旧態依然の滅私奉公礼賛という企業も多い現状では、自分が仕事と家庭の両立を阻んでいることに無自覚な上司や、あからさまに迷惑そうな顔をする人もまだまだ多いだろう。