その勉強会には同じようにハードワークに悩む大手マスコミ社員たちも参加していたのだが、私もかつて大手テレビ局で労働組合の執行委員を9年間(そのうち7年間は副委員長)をやっていたので、彼らの話を聞き、なかなか変わらない現状にため息が出た。

 しかしその一方で、私が会社で育児介護に関する制度の改善に取り組み始めた2000年頃には、こんなに問題意識を共有できる場はなかったことを思い出した。15年経ってだいぶ状況は変わって来ているぞ、と微かな光を感じもした。

ようやく「両立」が世間に理解されるまで15年、かぁ・・

 でも……15年か! 

 15年でようやく「仕事と家庭の両立ができる人生を」と提案することが世間的にアリだと諒解されるようになったのか。うわあ、遅いよ! というのが正直なところ。

私はその間に子どもを二人産み、自分で改善した会社の制度を目一杯活用し、ベビーシッターに多額のお金を使って、使える制度がほぼなくなった頃に会社を辞めた。今は子持ちのアナウンサーも仕事に復帰して活躍しているが、00年代は「ママアナ」という言葉がちょっとした発明品みたいに言われ始めた時代だった(遠い目)。

 子ども産んだってだけでなんでも「ママ」ってつけたり「母親の視点で」とかって言うのやめてよねーと思っていたら、最近は子どもがいるってだけで、男性にはすぐ「イクメンなんたら」というネーミングを付けるのが定番なので、物事が定着する過程では必要なことなのかもしれない。いやそれにしても、15年の歩みは決して早くはなかったと思う。

この原稿を書いているデスク。パースの家には、夫の書斎はあるけど私はリビングで書いたりダイニングで書いたり放浪の旅。見兼ねた夫が、寝室に小さなデスクコーナーを作ってくれました…椅子は腰痛予防のサドルチェア。しかし跨るのは最初だけで、結局はサドルの上にあぐらをかくという超不安定な体勢で書いています。
この原稿を書いているデスク。パースの家には、夫の書斎はあるけど私はリビングで書いたりダイニングで書いたり放浪の旅。見兼ねた夫が、寝室に小さなデスクコーナーを作ってくれました…椅子は腰痛予防のサドルチェア。しかし跨るのは最初だけで、結局はサドルの上にあぐらをかくという超不安定な体勢で書いています。