任意加入のはずのPTA会費は、給食費用口座から引き落とされていた

―― 2014年7月に、PTA強制加入は不当だとして、熊本で会費返還などを求めた訴訟が起きました。任意加入はようやく認知されてきていますが、川端さんが「PTA組織はおかしい」と猛烈に感じたのはどの点ですか?

川端 僕の子どもが通っていた小学校では、給食費用の口座からPTA会費が引き落とされていました。多くの保護者は後になってそれに気づくわけです。たぶん、さすがに小さな文字でどこかに注意書きはあったのでしょう。でも、一般社会でそんな乱暴なことは許されないので、すごくびっくりしたのを覚えています。「PTAは、ここまでやっていいのか?」と。

――  PTAの改革というと、業務の効率化を訴える人が多いようです。でも川端さんの場合は、そこにいく前に、任意加入であることを明記することから始めるべきだと主張されているのですね。

川端 つまり「まともな運営」をすべきだろうってだけです。やりたい人にとっては機会として開かれているけれど、やりたくない人はやらなくていい。いったん活動をしてみようと入ったけれど、方針が合わないとか、負担が大きすぎるとか感じたら、本人の意志で退会できる。それに関して児童・生徒が不利益を被ることもない。もちろん、気が変わったら、また入ってもいい。

――  それが大前提ということですね。

川端 会としてまともに運営した上で、何を目標にするかは、個々のPTAの自由です。みんなが認めるような活動ができればいいですね。もちろん、今のPTAがやることが多すぎて業務を効率化すべき、というのは、本当にそう思います。

* 次回に続く

(ライター/阿部祐子、撮影/鈴木愛子)