家族の絆が強くなり、うちはいいことばかり

単身赴任3年目の山岡さん。電話もメールも苦手だった夫が、単身赴任したらマメに。毎晩のように電話をかけてきて、30分は話すそうです
単身赴任3年目の山岡さん。電話もメールも苦手だった夫が、単身赴任したらマメに。毎晩のように電話をかけてきて、30分は話すそうです

 夫が単身赴任前は、2人とも仕事が忙しいとピリピリして、会話も少なく、家事や育児をどっちがやるかでもめることもありました。ですが、夫が九州に単身赴任してからは、そういった細かな争いが無くなり、お互いのことを気遣うようになったので、夫婦仲が良くなったと山岡さんは言います。

 夫がいなくなり増えた分の家事と育児の負担は、山岡さんの実家がサポート。近所に住んでいるため、保育園のお迎えとその後の二次保育を実家にお願いしています。そのおかげで、夫がいたころと同じペースで仕事に打ち込むことができます。

 今年で夫が単身赴任して3年目。「家族の絆が強くなり、うちはいいことばかり」と言う山岡さんですが、夫が赴任地で仕事のペースをつかむまでの1年半は、「仕事を辞めようか」と思うような危機もあったそうです。

「家族と離れたことより、夫は仕事の内容が大きく変わったことがプレッシャーだったようです。ストレスも多く、体調も悪そう。精神的にも体力的にも不安定でした。そんなときにそばにいてあげられないのが心配で、そこまでして私がこっちで働く意味があるのかな、と悩みました」

 会社を辞めることも考えた山岡さん。ですが上司に相談すると「仕事を休んで会いに行ったら?」と言ってもらえ、様子を見ることに。お子さんを連れて九州に行ったこともありました。

 そうしているうちに仕事のつらい時期を乗り越え、夫が見事復活。今はとても楽しそうに仕事をしています。離れてまで仕事を続けるんだから、その分仕事できちんと結果を出すと決めた山岡さんも、これまで以上に仕事に励んでいます。

 一方、主に単身赴任する側の夫はどう感じているのでしょうか。明日公開の第3回では、単身赴任する夫の悲哀をレポートします。

(文/辛智恵)