また、食物によりアナフィラキシーを起こす可能性の高い子どもは、エピペン(R)を携帯していることもあります。
食物アレルギーを持つ子どもも安心して給食が楽しめる環境作りを
アナフィラキシーを起こす可能性のある重度の患者に、除去給食の対応をせずお弁当を持参するようすすめる自治体や、露骨に入園拒否をする園もなかにはあります。安全に給食を食べられる環境を園や学校が整備し、緊急時の対応を整え、きちんとリスクマネジメントを考えた給食提供のあり方が実現できれば、給食提供はしていくべきだと私は思っています。
そのためにも、「念のための除去」を続けているお子さんは、入園・入学前にきちんと診断を受けましょう。「食物経口負荷試験」が標準的な診断法ですが、実施施設が多くないため、血液検査の結果だけで除去指導をする医師も少なくありません。もし、今かかっている医療機関の診断に不安があれば、適切な診断と指導が受けられる医療機関を探すのも方法の一つです。「食物アレルギー研究会」のホームページに掲載されている、「食物負荷試験実施施設」を参考にしてください。
保護者の不安につけ込み、根拠のない保険適用外のアレルギー検査をすすめるクリニックや、サプリメントや代替食を販売するといった怪しげなアレルギービジネスが横行しています。保護者が正しい知識を身につけることが大切です。正しい診断と指導を受ければ、食物アレルギーを持っていてもQOL(生活の質)を向上させ、安心して園や学校生活を送ることができます。
(ライター/中島夕子)