根強く残る「共働き夫婦の子どもはかわいそう」

「むしろ共働き家庭で育った子どもが優れた結果を残しているケースもあるのに、かわいそうという意識はまだ根強い」
「むしろ共働き家庭で育った子どもが優れた結果を残しているケースもあるのに、かわいそうという意識はまだ根強い」

―― デイブさんご自身がCEOで、奥様のシェリルさんはフェイスブックのCOO。一つ屋根の下にCEOとCOOがいるというだけでもうすごいですが、バリバリ働く女性と結婚するぞと、ずっと決めていらしたのですか?

DAVE やはり自分が育った環境の影響は非常に大きいと思います。私の場合は、両親が共働きだったので、「自分の妻になる人もきっとずっと仕事を続けるんだろうな」とごく自然に思っていて、妻が働くことに何の疑問も無かったんです。妻のシェリル自身は、母親が専業主婦の家庭で育っていますから、ちょっと違ったようですが。

 いずれにせよ、アメリカでは共働きの両親に育てられる子どもが多くなりましたから、自分達も結婚したらそうなるのだろうと思う子どもが増えているのではないでしょうか。共働きの両親を持つ子どもは、ごく当たり前になっていくと思いますよ。

 ただシェリルが本でも書きましたが、共働き夫婦の子どもはかわいそうだとか、損をしているということは昔から言われてきましたし、いまだに言われます。もちろん、そういった事実はデータでは確認されていません。むしろ共働き家庭で育った子どもが優れた結果を残しているケースもあるようです。

妻の成功をアメリカの夫も素直には喜べない

―― 日本では、シェリルさんほどのトップレベルで活躍する女性がまだ少ないこともあり、外で活躍する妻をきちんと受け止められる男性がまだまだ少ないように思います。

DAVE それは日本だけではありません。日本のほうがより深刻なのかもしれないですが、アメリカでも実は非常によく起きている問題です。正直に言いますと、夫が妻の成功をよく思っていないということだけが問題なのではなく、シェリルが本にも書いていましたが、女性側と男性側、両方に問題があるのです