ビジネスの手腕は一級だ。1994 年にオンライン音楽配信ビジネスLAUNCH Mediaを興し、2001年にはそれを1200万ドルでYahoo!に売却。その後、副社長兼ゼネラル・マネジャーとしてYahoo! Musicをアクセス数の最も多い音楽サービスサイトへと育て上げたデイブ・ゴールドバーグさん。その後、2009年に小さなスタートアップのオンライン調査会社SurveyMonkeyを買い取り、最高経営責任者(CEO)として10億ドル規模のビジネスに仕立て上げている。おまけに妻は、フェイスブックの最高執行責任者(COO)で世界的なベストセラー『リーン・イン 女性、仕事、リーダーへの意欲』の著者シェリル・サンドバーグさん。いかにも切れ者、という感じのビジネスマンを想像しただろうか?

実際のデイブ・ゴールドバーグさんは、柔和な笑みを浮かべた“クマさん体形”。2人の子どもを育てつつ、ビジネスリーダーとして会社を率い、同じくらいバリバリ働く妻のさらなる成功を願うデイブさんに、日経DUAL編集長の羽生祥子がずばり聞いた。「“シェリルの夫”と呼ばれるのは、どんな気分ですか?」

仕事相手とのディナーの約束も、子どもを寝かしつけた8時以降にセット

巨大オンライン調査会社SurveyMonkeyのCEOデイブ・ゴールドバーグさん。妻はフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグさん。
巨大オンライン調査会社SurveyMonkeyのCEOデイブ・ゴールドバーグさん。妻はフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグさん。

羽生祥子日経DUAL編集長 シェリルさんとデイブさんお二人は、それぞれ企業トップとして結果を出す傍ら、子育てでも協力しているということで、日本でも憧れのカップルです。

デイブ・ゴールドバーグCEO(以下、DAVE) 家庭の状況は家庭によって違うと思いますので、それぞれの家庭で何を大切にしていくかを話し合うことが大事だと思います。私達夫婦の場合は、仕事と家庭のバランスを取っていくことを今は大事にしようと決め、頑張っています。

 もっとも私自身は、キャリアを築くなかでずっとワークライフバランスが重要だと意識してきたわけではありません。1994年、音楽コンテンツのオンライン配信会社LAUNCH Mediaを興したとき、私は26歳で、結婚もしていなかったし、子どももいませんでした。とりたてて他の社員に残業を強いていたわけではありませんが、自分自身は非常に長い時間働いていました。トップの私がそうだったのですから、今振り返ってみるとあまりいいロールモデルではなかったと思います。

 今は、米カリフォルニア州パロアルト(SurveyMonkeyとフェイスブック両方の本社がある)で仕事をしているときは、妻のシェリルも私も夕方6時30分までには家に戻るようにし、家族と一緒に夕食を取って、子どもを寝かしつけます。そして子ども達が寝た後の8時ぐらいから数時間、オンラインで仕事をしています。ディナーの約束があるときも、8時以降にセッティングしてもらっています。