子どもが生まれるということは、夫婦の関係も変わるということです。でも、子どもが生まれたのに、どちらかが変わらなかったら──古今東西の名言を集める名言ハンターであり、働く妻とともに3歳の娘を育てるフリーライター、大山くまおさんが紹介する「子育ての名言」。今回はどんな名言が出てくるのでしょうか。

 こんにちは。ライターの大山くまおです。ワーママの妻とえっちらおっちら一人娘を育てております。イクメンというより、ダメ夫代表のような感じです。娘は先日、3歳になりました。

 ママに対してものすごく甘えん坊なわりに独立心が旺盛で、何でも「自分でやる!」と言って聞かない娘ですが、3歳になった前後から、とうとう一人で風呂に入るようになりました。「パパと入ろうか」と声をかけても、「イヤ! 一人で入る!」と主張するのです。もちろん、妻や僕がアシストはするのですが(なにせまだ足が短くて浴槽をまたぐこともできません)、基本的に一人ですべて済ませてしまいます。

 とはいえ、手がかからなくなったというわけではなく、常に目は離せませんし、苦手なシャンプーも自分でチャチャッと流すだけでおしまいなので、なんとか洗う機会をうかがわなければいけません。それにしても、成長を喜びつつも、一抹どころではない寂しさに包まれ、なんだか複雑な心境の今日このごろです。

 子の成長は早いものですが、成長が遅いのが世のダメ夫たちです。ダメ夫と一言で言っても、家事や子育てに1ミリも協力しない夫から、協力しようとするのだけれど実力が伴わない夫、家事や子育てについて「協力する」という考え方は間違っているということも理解しているのだけれど体がついていかない夫まで、その姿は様々だと思います。ああ、イクメンは遥か彼方なり。

 さて、そんなダメ夫をたちどころにイクメンに変えてしまうような名言はあるのでしょうか? ダメ夫にも色々なレベルがある以上、すべての男性に効くような言葉はありません。しかし、ヒントになりそうな言葉なら、いくつかありそうです。

 例えば、すぐに思い出すのが、デール・カーネギーの言葉。カーネギーはアメリカの作家ですが、自己啓発の始祖としてよく知られています。彼のビジネス・コミュニケーションのスキルに関する著書『人を動かす』は、全世界で1500万部売れた超ベストセラーです。

まず相手の長所を賞める。
それから徐々に相手の欠点を教えてやればよい。

デール・カーネギー

『D・カーネギー 名言集』(創元社)