個人の短所を決して否定しないこと

 国民的人気コミック、尾田栄一郎『ONE PIECE』より、主人公モンキー・D・ルフィのセリフです。もし、こんな言葉をダメ夫が言ったら、妻はどんな気持ちになりますか? 開き直っているんじゃない、このダメ男! と腹が立つでしょうか?

 安田雪『ルフィの仲間力 『ONE PIECE』流、周りの人を味方に変える法』(アスコム)という本では、仲間と助け合うために必要なのは「自分の弱さを見せること」だと説明されています。仲間と助け合うチームプレーにおいて、短所は隠す必要がありません。弱点や短所が分かっているからこそ、お互いに助け合うことができるのです。もちろん、ここでいう「仲間」とは、夫婦であり、子を交えた家族のことです。

 自分の短所を認めてさらけ出し、長所を伸ばす。仲間の短所を、長所で補い合う。それがチームプレーです。安田さんは、そのために大切なことは「個人の短所を決して否定しないこと」だと説いています。ルフィたちも、仲間の短所をからかうことはあっても、否定することは一切ありません。

 もし、ダメ夫が「オレはダメだな~」と言うようなことがあったら、そこを批判するのではなく、そこを認めつつ、お互いにどうすれば補い合うことができるのか考えたほうがいいのではないでしょうか。逆に、自分も何もかも完璧にこなそうとするのではなく、短所があれば夫にさらけ出してみればいいと思います。妻のピンチをダメ夫が華麗に助けてくれるはずです。そこで何も動かない男がいたとしたら、それは正真正銘のダメ夫ですね……。