ここからは、「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」代表阿真京子さんと職場復帰を控えたプレワーママ達の集まりで聞かれた不安の声を紹介します。アドバイスするのは、阿真さん(11歳、8歳、5歳の3男児のママ)と看護師(9歳・7歳・4歳の3女児のママ)です。
「任意接種のワクチンがいくつかありますが、おたふく風邪ワクチンは優先度が高いワクチンですか?」
●先輩ママからのアドバイス
日本で認可されているワクチンは定期接種・任意接種にかかわらず、すべて受けたほうがいいと思いますが、なかでも地域で流行しているものや、重症化しやすいものから優先的に接種するといいと思います。主治医の先生に相談してみてください。難聴の合併症が1000人に1人の割合で起きるって結構怖いですよね。ワクチン接種率が30%と低く流行しやすいと聞きますし、早めに接種したほうがいいと思います。
「髄膜炎や難聴と聞いて怖くなりました。どんな症状ですか?」
●先輩ママからのアドバイス
無菌性髄膜炎は、激しい頭痛や繰り返す嘔吐が特徴です。ほとんど後遺症はありませんが、1週間くらいの入院が必要になることも。とはいっても、やはり髄膜炎よりも怖いのは難聴です。どちらもワクチンを接種していれば、必要以上に怖がることはないと思いますよ。
「園でおたふく風邪がはやった場合、予防策はあるのでしょうか」
●先輩ママからのアドバイス
事前のワクチン接種が最も効果的ですが、おたふく風邪は接触感染・飛沫感染なので、帰ってきたら手洗い・うがいをしたほうがもちろんいいと思います。ある保育園では、多くの子どもがワクチンを打つようになったら、はやらなくなったそうです。
「おたふく風邪のとき、自宅でできるケアはありますか?」
●先輩ママからのアドバイス
うちの子の場合はとにかく痛がり、顔がぷくぷくに腫れたので、保冷剤で冷やしてあげました。唾が出ると痛がるので、酸味のあるオレンジジュースなどは避けて、味の薄いものを与えていました。治療法はひたすら安静にするのみ。完治まで1週間ほどかかりました。
「私の世代はおたふく風邪にかかっていない人が多く、私もワクチンを1回接種しただけです。追加接種したほうがいいですか?」
●先輩ママからのアドバイス
知人のパパは子どもからおたふく風邪をうつされ、重症化して大変だったそうです。1回しか接種していない人や、おたふく風邪にかかったかどうか記憶が曖昧というご両親は、できれば接種したほうがいいと思います。
「うちの子はおたふく風邪のワクチンを1度接種しています。もう一度追加接種したほうがいいかしら……」
●先輩ママからのアドバイス
小学校ではおたふく風邪がはやりやすいので、2回接種をしたほうがいいと思います。中学生であれ、大人であれ、1度しか接種していない人は2回目を接種すべきだというのが、多くの小児科医師の共通した考えのようです。
「おたふく風邪のワクチンの定期接種化はいつごろになりそうですか?」
●先輩ママからのアドバイス
水痘ワクチンが定期接種化され、おたふく風邪ワクチンも期待されますが、以前、混合ワクチンMMR(麻しん・おたふく風邪・風疹)の副反応が問題になった経緯もあり、定期接種化は数年先と言われているようですね。定期接種化を待たずに、接種対象年齢になったらすぐに接種が望ましいと思います。ちなみに、次に定期接種化されるのはB型肝炎ワクチンが決定していて、早ければ2016年度から0歳児に対して定期接種化される見込みということです。
(ライター/中島夕子 イラスト[P2]/三弓素青 写真[P4]/吉澤咲子)