耳下腺の腫れがサイン。両側が腫れる人もいれば片側だけの場合も

 おたふく風邪に感染すると、2~4週間の潜伏期の後、耳下腺の腫れが見られます。

 耳下腺とは唾液を分泌する唾液腺の一つです。おたふく風邪で腫れるのは、両耳の下の耳下腺、左右の顎下腺、舌の下(口腔底)の舌下腺の5カ所。両方の耳下腺が腫れる人もいれば、片方だけ腫れる人、左右の腫れが時間差で現れる人もいます。また、顎下腺だけが腫れたり、5カ所の唾液腺すべてが腫れたりする場合もあり、症状は個人差が大きいです。

 腫れには痛みを伴い、熱が出る子もいれば、出ない子もいます。唾液は食事をし始めると分泌が促されるため、子どもがごはんを食べたときに唾液腺の痛みを訴えれば、おたふく風邪のサインの一つになります。顔の腫れで気づくこともあります。

おたふく風邪に似ている他の病気も。確定診断は血液検査で

 インフルエンザや風邪ウイルスでも腫れることがあるため、問診だけでは他の病気との区別ができません。採血をして血中のムンプスIgM抗体を測定して確定診断します。

 この抗体は症状が出て時間が経ってからのほうが出やすいため、受診のタイミングが早過ぎると陰性になってしまうことがあります。

 おたふく風邪には、水ぼうそうのような治療薬はありません。対症療法で、解熱鎮痛剤(痛み止め)が処方されます。痛みがひどい場合は冷やしてあげるといいでしょう。痛みがあるうちは、お風呂は湯船に入らず、シャワーだけで済ませます。

 1週間ほどで腫れが引くことが多いですが、なかには左右の腫れが時間差で現れて、腫れが引くまでに10日以上かかってしまうことも。腫れが引くまでは人に感染します。腫れが引いて、なおかつ発症日の翌日から数えて5日経過したら登園・登校できます