では、姿勢のゆがみの根本原因をきちんとなおすには、どこをどう改善していけばいいのか。

 このポイントをみなさんにわかっていただくために、「コアハウス」という考えを紹介していきたいと思います。一般的には「インナーユニット」と呼ばれていますが、体幹の核(コア)の部分なので、私は「コアハウス」と表現しています。

 これは、言ってみれば、キレイな姿勢、理想的な姿勢をつくるための「お腹の筋肉の構成バランス」のようなもの。姿勢のゆがみをたて直していくには、この土台となるバランスの大切さをしっかり理解したうえで、インナーマッスルを鍛えていく必要があるのです。

キレイな〝S字ライン〟があらわれるのが理想的な姿勢

 「コアハウス」の説明に入る前に、「キレイな姿勢」「正しい姿勢」とはどういうものかということについて、簡単にふれておくことにしましょう。

 正しい姿勢とは、体を真横から見たとき、背骨がなだらかなS字ラインを描いている姿勢です。

 背骨がS字になるのは、頸椎が前方にゆるやかにカーブし、胸椎は後方にカーブして、腰椎が前方へカーブしているからです。これが人間にとって、もっとも活動しやすい姿勢であり、もっとも美しい姿勢といえるでしょう。

 キレイなS字ラインがあらわれていることが、ニュートラル、つまり、片寄りのない理想的な姿勢の証しとなります。姿勢がくずれている人には、残念ながらこのS字ラインはあらわれません。