レストランでの経験は成長していくわが子への贈り物
デザートの前にサーブされる料理は言うまでもなく見事なもの。コース料理は皿数が違う2種類が用意されており、いずれも好みのメーンを選べる。
黒いスーツ姿のマダムがさっそうとした立ち居振る舞いでサービスを行い、店内に程よく凛とした空気が流れる。アミューズと呼ばれる小さな突き出しの後に運ばれてきたのは、前菜「彩り野菜のグレック 生ハム添え スパイスの香り」。約10種類もの季節の野菜が様々なスパイスやハーブでマリネされ、その盛り付けの美しさには思わず息をのむほど。ためらいがちにフォークで崩し、野菜を口の中でかみしめた途端、ほとばしる甘みとみずみずしさに圧倒された。
メーンはさらに魅力的だ。とりわけ大本シェフが得意とする肉料理には目がくぎ付けとなる。シャロレーの熟成牛、うずらのフォアグラ詰め、蝦夷鹿もも肉のステーキ、仔鳩や骨付き仔羊肉のロースト……。選び抜かれた上質な肉をクラシカルな技法で丁寧に仕上げる。正統派フレンチが好きな人にはたまらないラインアップだろう。
一流の料理を口にし、サービスに触れることは、子どもにとって良質なものを見分ける “目”や美意識を養うことへとつながるだろう。「レストランで過ごす時間」を贈ること。それは、成長していくわが子へのとっておきのプレゼントになるはずだ。
【キッズデーDATA】
月1回、第1日曜の昼と夜に実施。告知はHPにて。1カ月前から電話で予約を受け付ける。離乳食は持ち込みOK。オムツ替えは通常のトイレを使う。授乳スペースは無いので、ケープを持参のこと。ベビー用椅子、カトラリー無し。個室無し。
(文/鈴木美和 撮影/武田光司)