ここからは、「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」代表阿真京子さんと、職場復帰を控えたプレワーママ達の集まりで聞かれた不安の声を紹介します。アドバイスするのは、阿真さん(11歳、8歳、5歳の3男児のママ)と看護師(9歳・7歳・4歳の3女児のママ)です。
「娘は0歳で、ワクチン接種対象年齢ではないので集団生活が心配です……」
●先輩ママからのアドバイス
水ぼうそうは毎年保育園で流行します。子どもの通っていた園ではあっという間に感染が広がり、70人がかかってしまったこともありました。幸いワクチンを接種していたので熱も出ず軽く済みましたが、かさぶたになるまでは私も仕事を休みました。ワクチンを打てない0歳児ママの心配はよく分かります。0歳児にうつすことのないよう、周りが予防接種を受けて、感染を広げない心がけが大事だと思います。
「初期の発疹に気づけるか不安。水ぼうそうの発疹はどんな感じで体に広がりますか?」
●先輩ママからのアドバイス
最初は虫刺されのような発疹が2~3個現れます。それが短時間のうちに増えて、翌日になると全身に出ているのが特徴です。うちの子の場合は、1回ワクチンを打っていたので5~6個程度の発疹で終わりましたが、周りで流行っていたのでそれが水ぼうそうだと分かりましたよ。園や学校での発症状況をいつも確認しておくといいでしょう。周りで発症者が出たら警戒しつつ、着替えのときなどに体を注意深くチェックするようにすれば見逃してしまうことはないと思います。
「ワクチンを受けていない子どもからうつされるのではないかと不安です」
●先輩ママからのアドバイス
入園の際に健康カードに子どものワクチン接種状況を記入するので、園は誰が接種していて誰が接種していないかを把握しています。ただ、未接種の人に接種を強制することはできません。実際、子どもが通う保育園の保護者のなかには、任意接種のワクチンは一切受けないという考えの人もいます。こればかりは仕方がありませんが、一人ひとりが意識を持ってワクチンを打てば、集団生活で感染症にかかる確率はぐんと低くなるはずです。保育園ママは仕事を休めない事情があるので、幼稚園ママよりは接種している割合が高いという印象を受けますね。
「水ぼうそうにかかった子どもからわざとうつしてもらったと言っているママがいました。これって危険ですよね?」
●先輩ママからのアドバイス
「以前、ある幼稚園に通うお子さんが水ぼうそうにかかり、10人のお友達を家に招いて水ぼうそうをわざとうつしたという話を聞きました。ところが、同じ日の晩、夜中に救急に駆け込んだ人も出て、子どもはそのまま2週間入院したそうです。多くの場合、水ぼうそうは軽く済みますが、子どものその日の体調などで、重症化してもおかしくないということです。「水ぼうそうくらい」と思わず、ワクチン2回接種でしっかり防いでほしいですね。
「水ぼうそうになったら1週間も仕事を休めません。近所に病児保育も少ないですし……」
●先輩ママからのアドバイス
どこの地域も病児保育の施設数は少ないし、タイミングよく空いているとは限りませんよね。私の場合、子どもが水ぼうそうになったときは自宅訪問タイプの保育サービスを利用しました。料金は高めですが、その日の朝に電話して対応してくれたのでとても助かりました。復帰に備えて、そういった会社をいくつか把握しておくと安心かもしれませんね。
「姉妹の時間差発症だと、何週間も仕事を休むことになりそうで不安です」
●先輩ママからのアドバイス
うちは子どもの一人が発症したとき、一番上の子は2回接種をしていたので、周囲で唯一感染を免れました。2回のワクチン接種の効果は侮れません。
「自宅でできるケアはありますか?」
●先輩ママからのアドバイス
掻くととびひになってしまうので、掻かせないことが肝心です。とはいえ、子どもに掻くなといっても無理な話ですよね。熱が下がってからはシャワーを浴びさせて、肌を清潔にすると少しはいいみたいです。湯船で温めるとかゆみが増すので、発疹がかさぶたになるまではシャワーがいいそうです。
(ライター/中島夕子 写真[P4]/吉澤咲子)
※本文一部修正しました。(2015年2月23日)