住宅購入や家計管理に悩む共働き世代を、ファイナンシャルプランナー(FP)の中嶋よしふみさんがリポートする本連載。今回は「ファイナンシャルプランナーの選び方」をテーマにしたコラム記事だ。

「ファイナンシャルプランナー(FP)にお金を払って相談をしたことはありますか?」

 この質問にイエスと答える方はほとんどいないと思います。過去の連載では、自分が普段行っているレッスン・相談をほぼそのまま再現した記事を書いてきましたので、FPに興味を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。一方で、金融機関や保険代理店、不動産会社では無料でFPへの相談やセミナーが提供されています。果たしてお金を払うべきか、迷う方もいるでしょう。

 今回の記事ではFPの分類や使い分け、選び方について書いてみたいと思います。

FPの収入源は「手数料」か「相談料」か

 FPを大ざっぱに分類するならば、利益を得る方法で2つに分けることができます。それが手数料と相談料です。

 手数料は保険・株・投資信託・住宅・住宅ローンなど、何かを売った際に手数料をもらう、という形で利益を得る方法です。多数のFPが働く銀行・証券・生保などの金融機関や不動産会社は、原則としてほとんどが手数料収入(ブローキング)です。

 例えば投資信託を購入すると、購入金額に一定の割合の手数料が発生します。これが金融機関の収入となり、結果的にFPとして働く社員の給料となります。アドバイス・セミナー・相談などは無料で提供するケースがほとんどですので、何かを売らない限り売上は発生しません。

 相談(コンサルティング)でお金を得るFPは、たいていの場合独立しています。この場合の「独立」とは金融機関に属していない、という意味です。個人で活動しているか、小規模な会社であることがほとんどです。1時間いくら、1回いくらといった形で相談料を受け取る以外に、セミナーや原稿の執筆も相談の一部と言えるでしょう。自分も投資信託や保険など金融商品の販売は一切行っていませんので、こちらに属しています。

 上記の説明でも分かるように、収入を得る方法の違いは仕事内容の違いとほぼイコールです。何かを売るか、アドバイスを提供するか、の違いです。