ダイバーシティーとテレワークの関係は?
最近「ダイバーシティー推進室」「ダイバーシティープロジェクト」など、社内にダイバーシティー関連の部署やチームを設置する企業が増えている。
ダイバーシティー(diversity)とは「多様性」という意味。企業的な視点では、女性、高齢者、外国籍、障害者など、様々な立場の人が能力を発揮できる組織にすることで、変化するビジネス環境や多様化するニーズに対応し、企業自体の生産性を高める、というものだ。
ある企業経営者が、テレワーク(場所や時間にとらわれない働き方)を長年推進している私にこう言った。
「うちはダイバーシティーを進めているので、テレワークまで手が回らないよ」
私は、丁寧にこう返答した。
「テレワークは、時間や場所にとらわれずに柔軟に働くという、単なる『働き方』です。女性や高齢者、障害者など働きにくい環境にある人は、時間や場所に縛られていると能力を発揮することができません。ダイバーシティーを真に進めるのであれば、テレワークは重要な手法となります」
正直なところ、私の言葉はその経営者には響かなかった。しかし、現状から目をそらさず、企業の未来の課題に向き合い、福利厚生ではなく企業強化のためのダイバーシティーに取り組む会社はもうすでに動き始めている。