テレワーク(在宅勤務)導入に積極的に取り組む企業の事例を紹介しながら、多くの企業が導入時にぶつかりがちな問題点と対策法を紹介するこの連載。企業へのテレワーク導入支援を手掛けるテレワークマネジメント社の代表、田澤由利さんがお届けします。
 第2回で取り上げるのは、早くからテレワークのトライアルを実施し、昨年11月にダイバーシティ推進室を設置したマスミューチュアル生命。福岡本社と東京本社の2拠点体制によってテレワークを一気に社内に浸透させようと試みるマスミューチュアル生命の事例を通して見えてきた、「在宅勤務を失敗させない2つ目のポイント」とは? 田澤さんがキーパーソン3名にインタビューしました。

ダイバーシティーとテレワークの関係は?

 最近「ダイバーシティー推進室」「ダイバーシティープロジェクト」など、社内にダイバーシティー関連の部署やチームを設置する企業が増えている。

 ダイバーシティー(diversity)とは「多様性」という意味。企業的な視点では、女性、高齢者、外国籍、障害者など、様々な立場の人が能力を発揮できる組織にすることで、変化するビジネス環境や多様化するニーズに対応し、企業自体の生産性を高める、というものだ。

 ある企業経営者が、テレワーク(場所や時間にとらわれない働き方)を長年推進している私にこう言った。

 「うちはダイバーシティーを進めているので、テレワークまで手が回らないよ」

 私は、丁寧にこう返答した。

 「テレワークは、時間や場所にとらわれずに柔軟に働くという、単なる『働き方』です。女性や高齢者、障害者など働きにくい環境にある人は、時間や場所に縛られていると能力を発揮することができません。ダイバーシティーを真に進めるのであれば、テレワークは重要な手法となります

 正直なところ、私の言葉はその経営者には響かなかった。しかし、現状から目をそらさず、企業の未来の課題に向き合い、福利厚生ではなく企業強化のためのダイバーシティーに取り組む会社はもうすでに動き始めている。

次ページから読める内容

  • ダイバーシティ推進室の設置とテレワーク
  • 福岡本社と東京本社の2拠点体制で「離れていても共に働く」環境に
  • 地方創生で「東京の仕事」を地方でできる社会に

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