「一人で演奏して、歌って、しゃべって、舞台には私一人だけ!」という「ひとりでできるもん」と題したライブ、そして、クラシックを楽しく聞いてもらう「めざましクラシックス」のゲストに呼んでいただいたり……と、去年の終わりから今年の初めにかけていくつかのステージに立ちました。

 ライブの前日って、「なんでこんなに!?」っていうくらい不思議と仕事が重なって、すんごいバタバタするんですよね。その前後は、なーんにもないのに(笑)。ライブ前日は「とにかく、明日を無事に終えられますように」と祈りながら、ビールを飲んで、さっさと寝るようにしています。

歌い出しはこんな感じで、曲の合間にはこんなことしゃべって……ブツブツ

 ライブ直前になると頭の中でイメージトレーニングをしています。セットリストの1曲目から。歌い出しはこんな感じで、曲の合間にこんなことしゃべって、うん、最後はこんなふうに終わろう……みたいなことを通しでおさらいしながら、“理想の進行”をやってみるんです。ライブは流れがとても重要だから、思い描いている通りにできるように、何度も、何度も。

 この習慣は、昔から変わりません。プリプリ時代、お正月の2日から武道館ライブしていたときは、元日には必ず実家の仏間に何時間も閉じこもって脳内リハを決行してました。仏間って誰もいないから集中できたんですよね。ふーっと深呼吸して、精神を落ち着かせて。長い瞑想。いや、妄想に近いか。もはやこの時間がないと、怖くて本番に臨めない(笑)。

 でも、子どもがいると、これがなかなかできない! 

 本番前のイメトレは、ライブ1本通しでやろうと思うと最低でも2時間はかかるけれど、家に子どもと一緒にいると、「2時間話しかけられない」ってことがないですよね。ちょっと考え始めたと思ったら、「ねーねー」ってくる。となると、やっぱり子ども優先になるから、イメトレが中断しちゃう。

 なので私、ライブ当日は、なるべく家から直接会場に行きたくないんです。家からだと、直前まで子どもたちとバタバタやってて集中できないし、一度考え始めたら中断したくないから。地方のときは前泊になるから大丈夫なんだけど、都内でのライブのときは、早く家を出て、カフェとかどこかでイメトレしてから会場入りしたりしています。ちょっとだけ、考える時間がほしいんですよね。本当は、都内でも前日にどこかホテルに泊まりたいくらい。