今回ご紹介するのは、30代の弁護士ママ、太田啓子さん。働く親やママ達に政治参加を促すため「怒れる女子会」を主催したパワフルな方。女性誌で「憲法特集」を仕掛けるなど、社会運動をオシャレにした実績もあります。実は最近までSNSすら使っていなかった、という太田さんが「目覚めた」理由とは?

「もういい加減にして『オッサン政治』!」

「怒れる女子会」を主催する弁護士・太田啓子さん
「怒れる女子会」を主催する弁護士・太田啓子さん

治部 太田さんはご友人と一緒に、2014年12月の衆院選挙前には、各地で「怒れる女子会」と題した政治を考えるシンポジウムを開きました。「もういい加減にして『オッサン政治』!」というキャッチコピーが分かりやすかったです。

太田啓子さん(以下、太田) ちょうど女性活用がブームのようになっていたことと衆院選挙直前というタイミングもあって、東京都文京区で開いた会には4日間の広報で約100人の参加がありました。これまでは女性が政治を語る場があるようであまり無かったのでしょう。

 参加者の方からは、「政治の話題って、本当は不安なことなどを友達とも話したいけど、相手の反応も読めないし、どう切り出せばいいか分からない。頑張ってちょっと口に出してみたら『すごいねー』『偉いねー』と言われるだけで終わってしまいそれ以上何も言えなかったことも。そういう話題を空気を読まずに安心して話せる場が欲しかったので今日はとてもうれしい」という感想を頂き、うれしく思いました。

 今後は4月の統一地方選挙を前に、気になる候補者にインタビューに行く企画をやってみたいと思っています。私の周りでは30代、40代のママ達が、子育てや環境問題を既存の政治に任せておけないと、地方選挙での立候補を決めているんです。例えば、埼玉県越谷市議選に山田ゆう子さん、群馬県議選に加賀谷富士子さん、横浜市議選(青葉区)に青木マキさんが出馬するといった具合です 。

周りのママ達が次々と選挙に出馬 きっかけは「3・11」

―― ママ達は何をきっかけに立候補を決めたのでしょう?

太田 印象的なのは、やっぱり「3・11」でスイッチが入ったという言葉をよく聞くことですね。それまで当たり前だった生活の基盤自体を問い直す気持ちになったと言います。放射能汚染に関することで初めて市に要望・請願をする機会があって、それをきっかけに市議会のあり方に興味を持ったとかね。

 私が今親しくし、憲法カフェ企画などをご一緒しているママ達の多くもそういう「3.11デビュー」した人達です。放射能問題に対する政府の対応に怒りや失望を覚え、「それまで政治に興味が無かった自分を泣いて責めた」という人もいます。

 私自身もこういうママ達と心情が近いです。現在38歳で6歳と3歳の息子がおりまして、仕事と育児で忙しく、地域でのママ同士の付き合いもあまり無かった。数年前までSNSすらやっていなかったほどです。

 次男の妊娠が分かったのが東日本大震災の直後。つわりも重かったので震災後、すぐには動けなかったのですが、次男出産後に、長男の尿検査をしてみたところ、微量ですがセシウムが検出されたのです。それをきっかけに「育児休業中に放射能対策をしたい」と思うようになりました。

次ページから読める内容

  • 数多くの高学歴・主婦ママとの出会い 問題は「社会構造」であることに気づく
  • 改憲問題の勉強会には来ないような人達に直接会って話がしたい
  • 「憲法カフェ」がメディア取材につながり、女性ファッション誌の特集にも
  • 「政治が変わらないから投票に行かない」は間違っている
  • 「政治=子どもの将来」 政治の話題をタブー扱いしないで
  • 親子一緒に、政治・社会問題にフツーに関心を持てるような日本に

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