最新治療法のスギ花粉治療薬が国内で初めて承認

 「アレルゲン免疫療法」とはアレルギー治療薬を使う対症療法とは異なる治療法で、アレルゲンを少量投与することで体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。「減感作療法」とも呼ばれます。

 昨年10月には、舌下にスギ花粉のアレルゲンを投与する治療薬「シダトレン(R)」が国内で初めて発売されました。従来行われてきた皮下注射に比べて注射による痛みが無く、自宅で治療できるのが特徴で、新しい治療法として注目されています。

 3~5年の長期にわたってエキスを服用し続けなくてはなりませんが、7割の人に症状軽減効果が見られるとされています。しかし、現在、12歳以上65歳未満に対象年齢を限っています。

目や鼻の穴の周りにワセリンを塗ると花粉の侵入を防げる

 花粉症は抗原を浴びる量をできるだけ減らすことが鍵となります。眼鏡、マスクを着用できればいいですが、子どもの場合は無理をせず、家に帰ったらうがいをする、顔を洗うなど、できることからさせてみてください。

 空気清浄機を導入したり、布団に掃除機をかけたり、洗濯物を部屋干しにしたりするのも効果的です。また、目や鼻の穴の周りにワセリンを塗ってあげると、花粉が粘膜に侵入するのを防いでくれます。登園や登校の前に、ひと塗りしてあげてみてください。

 鼻づまりがひどいときは鼻の付け根を温め、目がかゆいときは冷たいタオルを当てると症状が和らぎます。イラクサのハーブティーもおすすめします。びっくりするほどよく効きますよ。いずれも、朝と夜、自宅にいるときに簡単にできるので試してみてください。

 花粉用眼鏡をかけるよう医師に指導されているなど、アレルギー性鼻炎によって集団生活に制約がある場合は、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」や「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」に記入する必要があります。特に学校や園での管理が不要の場合は、書く必要は無いと思います。

 都心部に住んでいる人は、ディーゼルの排気に含まれる微粒子がスギ花粉によるアレルギー反応を増強させることが知られていますし、黄砂、PM2.5などの影響も避けられません。花粉症は一度発症すると、同じ環境に住んでいる限り、一生のお付き合いになることが多いと思ってください。

 花粉症は放っておくと集中力が低下し、学校生活にも影響を及ぼします。早めの受診で症状をコントロールしてあげて、お子さんが少しでも快適に過ごせるよう、親が気を付けてあげてください。

杉原桂
昭和大学医学部卒業後、千葉県こども病院新生児未熟児科、沖縄県立八重山病院、国立病院機構相模原病院小児・小児アレルギー科、多摩ガーデンクリニック院長を経て、2015年4月にユアクリニックお茶の水を開院予定。子どものアレルギー疾患を専門にし、漢方治療や代替医療も取り入れている。日本小児科学会小児科専門医、日本医師会認定産業医。

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