入試問題の難化で芝中減少、攻玉社に人気が集まる

 男子の受験にはサンデーショックによる大きな変化は見られませんでした。例年通り、御三家をはじめとする上位校の人気は高く、開成の受験者数は1171人、倍率は3倍でした。

 「大きな変化がないなかで唯一変化があったのは、ここ数年、人気を伸ばしている中堅校の芝中学の受験者数が極端に減ったことです」

 その理由を西村先生はこう話します。

 「実は昨年、芝中の学校説明会で、2015年度の国語の入試問題の傾向が変わるという説明がありました。芝中のこれまでの国語の問題は、選択解答が主流でしたが、今年から記述式を増やしていくというのです。これは、男子御三家の開成、麻布、武蔵の国語の問題が記述式であることが大きく影響しています。現在、人気上昇中の芝中が中堅校から上位校へと一歩踏み出したと言ってもいいでしょう」

 「しかし、入試が変わる初年度は、問題の傾向がつかみにくいことが懸念され、2014年は675人だった受験者数が今年は547人と減ってしまったのです(2月1日入試)。その影響を受けたのが、芝中とほぼ同じ偏差値(四谷大塚偏差値60)の攻玉社です。攻玉社は算数重視の学校のため、国語に自信がない子が算数有利の攻玉社へと流れ、2014年は292人だった出願者数が今年は401人となり、応募倍率が4倍になりました」

 「ただし、来年度は問題傾向がつかめるぶん、また芝中の人気は戻るでしょう。今後は、芝中に限らず、中堅校の入試難化が予測されます。入試問題はその学校の“顔”と言われるように、学校の意思が強く反映されます。入試問題を難化させることで、優秀な子を取りたい。ひいては上位校へと飛躍したいという姿勢が見えてきます