認定NPO法人フローレンス代表理事・駒崎弘樹さんと、これからの社会をより住みやすい場所にしていくためにできることを考える連載「DUAL世代が社会を変える」。自身も4歳の娘と2歳の息子を持つDUAL世代の駒崎さんが、今回と次回の2回に分けて、男性の家事・育児参加について熱く語ります。

 訪問型・共済型の病児保育サービスを提供している認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹です。この連載では、共働き育児中のDUAL世代にとって希望を持てる社会をつくるために、僕が大事だと考えるアクションや意識の持ち方についてお話ししています。

 第1回の「保育園の待機児童対策はなぜ遅れたのか?」もたくさんの方々に読んでいただき、反響をいただきました。今回は、「男性の家事・育児参加が社会を変える!」というメッセージを発信したいと思います。

男性の家事・育児参加は社会を変えるキーワード

 男性の家事・育児参加というと「イクメン」という言葉を思い浮かべる方が多いと思います。この「イクメン」もここ10年で急速に浸透しましたが、その意味合いは家庭内の役割分担の改善や夫婦のパートナーシップの向上という文脈で語られてきたように感じます。

 しかし、その効果は家庭の単位にとどまりません。日本の経済や将来の社会保障など、社会全体を大きく変えるキーワードが「男性の家事・育児参加」だと僕は考えています

 背景には、日本が超高齢化少子化社会へ突入しているという現実があります。2050年には人口の4割が高齢者になり、働き手は今の3分の2に。自治体の半分が消滅すると言われており、東京23区だってその例外ではありません。世界のどの国も経験したことのない、まるでSFのような前人未踏の社会! そこに初めて足を踏み入れるチケットを日本は今、握っているのです。