子どものことを考えたら、おいしい手作りおやつを食べさせてあげたいけれど、何しろ働くママ・パパは毎日超多忙。そこで料理の達人が伝授する「簡単ヘルシーおやつ」の登場です。
 簡単なのにヘルシーで、しかも子ども達は大喜び。そんな三拍子そろった最強のおやつを、人気料理研究家の浅倉ユキさんに教えてもらいましょう。前編のさつま芋スイーツに続いて、後編では「豆腐クリーム」の作り方を紹介します。
 さらに、おやつを手作りする意味は単に体にいいからということだけでなく、次世代に受け継いでいくべき食育の面からも大切だと考える浅倉さん。3人の子を育てている先輩ママとして、思うところを熱く語ってもらいました。

プルーンよりも鉄分が多いレーズンを使ったおやつ

日経DUAL(以下、DUAL) 炊飯器でさつま芋を炊くと砂糖を入れなくても甘~くなることを、前編で教えていただきました。浅倉家ではこの他に、もう一つ、子ども達に好評の簡単スイーツがあるそうですね。

浅倉ユキさん(以下、浅倉) はい、豆腐とレーズンから作る「豆腐クリーム」です。レーズンは意外と知られていないけれど、プルーンよりも鉄分が多く、栄養価が高い食材なんですよ。私は妊娠中、医師から「レーズンを食べなさい」と何度も言われていたくらい。このレーズンに、 “ヘルシー代表”みたいな豆腐を合わせて作るんです。

DUAL レーズンに豆腐……? 意外な組み合わせですね。でも、体にとてもよさそう。

浅倉 作り方もびっくりするほど簡単なんです。まず、ミキサーにレーズンと豆腐を入れて、ガーッと撹拌するだけ。撹拌の時間はレーズンがつぶれて、なめらかになるまでというのが目安です。

DUAL それだけ……ですか?

浅倉 はい、それだけです! 全体的にとろっと仕上げるとパンなどに塗りやすいので、豆腐は水切りしないで水分をレーズンに吸わせます。豆腐を水切りする手間すら必要ありません。

DUAL 豆腐は水切りが面倒なので、それはうれしいですね。

浅倉 もう少し時間をかけられるなら、ミキサーに材料を入れた後、10分ほど置いておくと、豆腐の水分がレーズンにしっかりとなじみます。

 ノンオイルでノンシュガー。乳製品アレルギーの子も大丈夫。おやつって子ども達に「お代わりはだめよ、食べ過ぎないでね」とつい言ってしまうものですが、この豆腐クリームなら胸を張って「いくらでも食べていいわよ」と大きく構えていられます。まさに夢のおやつですね。それに、「もっと食べたい!」とせがまれたら、「10分ほど待っててね」とまたすぐに作れますしね。

 さあ、クリームをパンにつけて、召し上がってみてください。