「FacebookやLINEで交わす情報が増え、ストレスを感じる人も増えてきた」と、ITジャーナリストの高橋暁子さんは言う。「子どもの写真をSNSで公開することの是非はいつも話題に上がります。誘拐被害などにつながるケースもあるなど、子どもの情報を本人の意志と無関係に公開することは、後に問題となる可能性がある。クローズドな環境でやり取りできれば、子どもに危害が及ぶリスクを軽減できて安心です」

つながりが増える一方で、気を使う場面も増えてきた

 ビジネスパーソン、親、個人としていくつもの顔を持つDUAL世代だからこそ、情報の発信や共有に気を使う場面は多い。ペルソナの使い分けは、しっかり考えてから活用してほしいと高橋さんはアドバイスする。

 「例えば、ママ友や会社の同僚、上司など、無制限につながってしまうと、投稿時の言動に気を使うことが多くなります。最初にそのSNSはどう使いたいのか、どういう相手とつながるかを決めて、使い始めるのがオススメです」

 Facebookの場合は、実名顔出しなので仕事相手とつながらざるを得なくなる可能性が高い。そのため、読者の中には仕事用とプライベート用2つのアカウントを使い分けている人もいる。

 LINEは、グループトークにすれば他人の目を気にせず、やり取りできる。知らない間に友達が増え続けてしまわないよう、友達は『自動追加』ではなく、手動で追加するように設定し直すなど、使い方に工夫が必要だ。

 時間がない共働き世代にとって、便利で安心なクローズドのSNSやグループウェア。とはいえ、やり取りで疲れてしまっては意味がない。「家族や友人間で、既読や返事はできるときにすればいいという緩いルールを前提に行うのがおすすめ。これらのサービスは、あくまでリアルの補完ツール。コミュニケーションをSNSなどだけにとどめず、直接的なコミュニケーションも大事にした上で活用していきましょう」(高橋さん)

(取材・文/日経DUAL編集部 長野洋子)