経営学の修士課程、専門職学位課程を修了することで与えられる学位「MBA」。一昔前は企業から送り出されて、あるいは休職・退職して海外に留学し、取得するのが一般的でした。しかし、ここ10年ほどで国内大学院にも経営学専攻のコースが設立され、働きながら平日夕方や土日に通学し、MBAを取得できる環境が整ってきています。近年は女性の受講生も増加。その中には、仕事と育児を両立しながら、また、育児休暇期間を利用して通学しているワーママ受講生もいます。大学院の現場と、ワーママ受講生の声から浮かび上がる現状をまとめた特集「MBAに挑戦するワーママが増えている理由」。 「『育児』という制約をMBAで突破する女性が増加中」に引き続き、第2回では、4歳の娘を育てながら週末にMBAコースで学ぶワーママを紹介します。

 サントリービール株式会社の企画部門に勤務する吉井晶子さん(34歳)は、第1子の育休から復帰して1年後、MBAの取得を決意しました。実家は遠方にあり、親からの日常的な育児サポートは得られない環境。それでもフルタイム勤務を続け、現在4歳の娘を育てながら、土日にグロービス経営大学院に通学しています。

 吉井さんに描いているキャリアビジョンやMBAの活かし方について伺いました。

「30歳には出産したい。それまでに経験の幅を広げておきたい」

 吉井さんは大学卒業後、サントリー株式会社に入社。26歳で結婚し、30歳ごろの出産を目標にしていたといいます。

 「30歳という年齢は、育休から復帰した後でも未経験の職務に就いて新たなキャリアを積みやすい。一定年数の経験を積んだうえで、2人目の出産もできる。キャリアプラン・ライフプランの調整がしやすいタイミングだと考えました」

 「私はどちらかというと状況に流されやすいタイプなので(笑)、『この時期』と決めなければ出産に踏み切れないと思ったんです。けれど、出産後も仕事を続けていけるのかという不安はありました。実家が遠く、親のサポートを受けることはできませんから。育児のために働く時間が制限されたとしても、会社で価値を発揮できる人材になれるよう、出産までになるべく経験の幅を広げておきたいと考えていました」

 このプランを実現するため、日ごろから上司にも働きかけたそうです。入社後4年間、人事部門で勤務していましたが、「30歳までに人事以外の仕事も経験したい」と伝えたところ、その希望が聞き入れられ、輸入酒を扱う部門に異動。マーケティング・商品開発の経験を3年積んだ後、計画通り、30歳で産休・育休に入ります。

サントリービール・企画部門の吉井晶子さん
サントリービール・企画部門の吉井晶子さん

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  • 「限られた時間の中で成果を挙げるには『インプット』が欠かせない」
  • 「『ゼネラリスト』を極めるには、経営全般の知識が必要」
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