昨今、通う子どもが増えている「ショービズ系習い事」。かつては一般人には遠い世界だった芸能界が、いっそう身近になってきているのか――。芸能界に続く(かもしれない)習い事を取材する今回の連載、前回2回に渡ってレポートしたEXILEの所属プロダクションであるLDHが展開するエンタテイナー育成スクール「EXILE PROFESSIONAL GYM (EXPG)」に続いて訪ねたのは、鈴木福くんや谷花音ちゃんの活躍で親たちの熱い視線が集まっている芸能スクール「テアトルアカデミー」。そこにはどんな人が通い、どんな授業を受けているのでしょうか。

【特集バックナンバー】
第1回 将来はEXILE? ウチの子も芸能界で習い事
第2回 ショービズ系習い事、目標はデビューとは限らない

本気で芸能界に入りたい子どもと親を引きつける、高い出演率

 総合芸能学院テアトルアカデミーは、設立から30余年の歴史がある芸能スクール。現在は札幌、仙台、松戸、大宮、東京、横浜、名古屋、大阪、岡山、福岡に10校を構える。

 少子化にもかかわらず、生徒数は右肩上がりだという。追い風はここ数年の子役ブームで、08年『崖の上のポニョ』(大橋のぞみ。主題歌)、09年NHK大河ドラマ『天地人』(加藤清史郎)、11年『マルモのおきて』(芦田愛菜、鈴木福)や『家政婦のミタ』(本田望結)など、子役スターが出れば、彼らの活躍に刺激を受けた入校希望者も増える。

 テアトルアカデミー出身の子役には、鈴木福、本田望結(現在は移籍)、谷花音、小林星蘭らがいる。

 基本的に希望者は受講できるEXPGと違い、テアトルアカデミーの場合、入校するにはまず、質疑応答やカメラテストといったオーディションを受けなくてはならない。オーディションに合格し、システムやかかる費用に納得したうえで実際に入校する人は、「オーディション来場者の約3割」(テアトルアカデミーの浅井武士広報室室長)だという。

 そうした入校時のオーディション、それなりの入学金(要問い合わせ)に加え、オーディションへのアドバイスなども行うことから、芸能界の仕事にチャレンジしてみたい人向けの芸能スクールと位置付けられるだろう。

 スクール生は0歳~80歳代まで幅広いが、最多は0歳~3歳の赤ちゃん部門で、全国数千人が登録している。鈴木福も本田望結も、この赤ちゃん部門から所属していた。

 レッスンを受けながら同時にエキストラやドラマ、CM出演などの仕事も始められる。3歳~6歳の幼稚部、小学生の児童部、中学生の中等部の生徒を合わせた「コスモスクラス」に所属する子ども達は数千人。その中で芸能活動を希望する生徒達は「エキストラを含めれば、かなりの人数がドラマや映画、CM等に出ている」(浅井室長)。また同社が制作協力をしている番組もあるので、希望すればそこで現場体験をすることもできる。

 レッスンではどんなことを学ぶのか。浅井室長に尋ねてみた。