「労働時間短縮」にとどまらず、「生産性の向上」を目指す
リクルートスタッフィングの長嶋由紀子社長
リクルートスタッフィングで「スマートワーク」と名付けられたプロジェクトが発足したのは2013年1月。その目的は生産性の向上だ。以前はリクルートの人事部門に所属していた長嶋さん。営業組織の労働時間と成果の相関データを調べ、それが比例していないのを目の当たりにし、「長時間働けば業績が上がるわけではない」という仮説を立てていた。
「限られた時間の中で、賢く、濃く、イキイキと働くことで、最大の成果を出すことを目指しました。優秀な女性が出産・育児が障害となってキャリアを断念するのはあまりにももったいない。それに、時短は女性だけの問題ではありません。社会全体で労働力が不足していくなか、生産性の向上は必須課題。その社会共通のテーマに対し、人材派遣会社として、生産性を高めるための働き方や組織作りを先導していきたいという思いもありました」
「トップダウンだけではなかなか進まない。現場が本気になってアクションを起こさなければ」。そうした考えから、スマートワークプロジェクトに取り組む意思があるグループの立候補を募った。すると、多くのグループから手が挙がった。
「選ばれた組織には専門コンサルタントが入って伴走することを前提に募集したんです。『ゼロから自分達で考えてね』と言って、社員に余計な苦労を背負わせたくない。社員側も専門コンサルタントのノウハウをダイレクトに享受でき、他部署より先行して成果を得られるなら……とメリットを感じてくれたようで、多くの組織が手を挙げてくれました」
こうして、業務内容や地域のバランスを考慮して8つのグループを選抜。小室淑恵氏が運営する株式会社ワーク・ライフバランスのコンサルタントの支援を受け、取り組みをスタートさせた。
次ページから読める内容
- 「数分の短縮」を積み重ね、効果があった工夫を全社で共有
- 経営者が「本気」を見せてこそ、現場の意識が高まる
- 「時短」をメリットと感じない若手一人ひとりと向き合って語る
- 一人あたり1カ月の労働時間「約7時間短縮」を実現
- 「子どもがいることはハンデではなく強み」とのアドバイスに安堵
- 上司の配慮で復帰直後からリーダーとして経験を積む
- メンバーの協力体制は「育児サポート」にも及ぶ
- 先輩ワーママの言葉で見つめ直した、キャリアを積むということ
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