バストが成長し始める時期は早くなっている

 そもそも、こうした「母娘の1/2成人式」をワコールが行った背景には、ファーストブラや子どもの成長に対する親子の認識のギャップがあって、バストの成長が早まっているにもかかわらず、ブラジャーの着用が遅れているという調査結果が出たことが挙げられます。

 6歳の女の子が大人になるまでのバストの変化を観察・研究してきたワコール人間科学研究所の研究によると(2012年発表)、「バストの変化は初経の時期と関係しており、初経の1年以上前からバストが膨らみ始める」ということが分かっています。昔は、女の子が初経を迎えると、お赤飯を炊いてお祝いをしましたが、実はその1年以上前から、大人になる準備の体の変化が始まっているわけです。

 また、初経の年齢には個人差がありますが、1980年代と2000年代生まれの女の子を比較すると、初経の時期が以前より早まっているということも分かりました。つまり、バストが成長し始める時期も早くなっているわけです。なかでも、10~11歳で膨らみ始める女の子の割合が、大きく増えています。

 しかし、同社広報・宣伝部の福岡智亜記さんによると、「成長を考えると、早い段階から、体に合ったブラジャーを正しく着けることが良いのですが、バストが膨らんできても小学校の段階で着用している人は非常に少ない」のだそうです。

 「体の成長や下着に不安」を感じている女の子は44%。しかしこの年ごろは、友人と自分を比較して、早いとか遅いといった、周囲との差が気になる時期。恥ずかしいという意識も強まるため、不安を感じても相談していない女の子がたくさんいるのです。