次に旅行のスタイルだが、筆者は断然、「滞在型」の旅をお勧めする。

滞在型旅行が家族にオススメの理由とは?

 滞在型旅行は、日替わりで宿や宿泊地を変えるのでなく、一か所に一定期間(例えば1週間以上)滞在するスタイル。必然的にまとまった休暇が必要となるが、ファミリーには何かとメリットが多い。以下がその主なところだ。

メリット1「他のゲストに気兼ねせず、のびのび過ごせる」
 滞在型旅行で利用するホテルはセルフケータリング(自炊の宿)が基本。ふつうのホテルでは子供が大声を出したり泣き出しはしないかとひやひやすることもあるが、滞在型なら心配無用。食事などのスケジュールも自分たちで自由に決められる。

筆者が泊まった一軒家の寝室。他に二つのベッドルームがあるので、友人家族とシェアするのもいい
筆者が泊まった一軒家の寝室。他に二つのベッドルームがあるので、友人家族とシェアするのもいい

メリット2「現地の食材を幅広く試すことができる。時間、経済的にもメリットあり」
 現地のファーマーズ・マーケットやスーパーで美味しそうな食材を見つけても、冷蔵庫のないホテル滞在では買い込みにくい。その点、セルフケータリングの宿に滞在していれば、現地の美味を様々に試すことができる。またピクニックエリアを有する観光施設も多く、外出の際にサンドイッチを作って持参すれば、混雑する時間にレストランの空席を探す手間も省略できる。一か所に滞在する時間が長くなれば、顔なじみもでき、その土地や国民性への理解、愛着が深まる。地元の人々ならではの「口コミ」情報を教えてもらえることも。

ファーマーズ・マーケットで購入したソーセージとプラムを調理中。セルフ・ケータリングの宿には調理器具や食器も一通り揃っている
ファーマーズ・マーケットで購入したソーセージとプラムを調理中。セルフ・ケータリングの宿には調理器具や食器も一通り揃っている

ストラウドのファーマーズ・マーケットで飛ぶように売れていたアーティザン・ベイカーのパン。職人のオリさんはイスラエル出身で、イギリスのパン文化をさらに豊かにしたいという夢をもって移住。人気が出たことで生産が追い付かず、なかなかコッツウォルズ暮らしを楽しむ時間がとれないのが悩みだそう。“作り手の顔の見える市”ではこんなふうに立ち話を楽しめるのも魅力だ
ストラウドのファーマーズ・マーケットで飛ぶように売れていたアーティザン・ベイカーのパン。職人のオリさんはイスラエル出身で、イギリスのパン文化をさらに豊かにしたいという夢をもって移住。人気が出たことで生産が追い付かず、なかなかコッツウォルズ暮らしを楽しむ時間がとれないのが悩みだそう。“作り手の顔の見える市”ではこんなふうに立ち話を楽しめるのも魅力だ

 次回の記事では、筆者が4歳の娘、夫と楽しんだ直近の英国旅行の様子をレポートしながら、滞在型旅行の「お役立ち情報」をお伝えする。