子どもがストレスを受けるような写真は見えないようにする

 これは、「No More Page3」と「Child's Eye Line UK」という2つの団体の地道なキャンペーン活動によって実現しました。公共の場で子どもの目を守ろうとするこの活動の主たる目的は、セクシャルな女性の写真に子どもが日常的に触れることで、偏った女性観を子どもに植え付けてしまうのを防ぐこと。両団体とも、「今回のテスコの決断は素晴らしい」と評価しています。

「我々は家族向けの小売店であり、店内の環境をすべてのお客様にとってふさわしいものに整えることは、非常に重要です」と、テスコの広報部は声明を発表しました。テスコはまた、「セクシャルで暴力的」な写真にとどまらず、子どもがストレスを受けるようなすべての写真が安易に子どもの目に触れないよう、店内ディスプレーを変えていくとのことです。

 この決定に対して、出版業界からは販売の妨げになるという反論も出ています。あなたはどう思いますか?

すべての人に配慮した空間づくりが必要なのでは

 こうした写真を表紙に掲載する雑誌や新聞を「すべて排除する」などという考えは行き過ぎだと思いますが、老若男女が日常的に利用する空間では、すべての人に配慮した環境づくりが大切だ、というのが僕の個人的な意見です。

 今回のように、セクシャルだったり暴力的だったりする写真を表紙にしている雑誌や新聞を、幼い子どもの目にも触れる場所に置いて売ることは、社会の一部の人(すなわち、そのような雑誌・新聞を好む成人男性)のみをターゲットにしていることになります。その他の層への配慮に欠けているという点で、公共の環境としてのバランスに欠いていたと思います。すべての人を意識した環境づくりという意味で、階段にスロープを付けるというバリアフリーの発想と根本的には一緒だと思います。