食物アレルギーとは特定の食べ物で起きる過剰な免疫反応のこと。食物アレルギーは乳児の約5~10%、幼児の5%、学童期以降の1.5~3%が該当すると言われています。
最も多い症状がじんましんで、次に多いのが呼吸器、口・鼻・目などの粘膜症状、消化器に症状が現れる人もいます。なかには複数の症状が同時に現れて、急速に進行していく「アナフィラキシー」と呼ばれる状態になる人も。アナフィラキシーに、血圧低下や意識障害を伴うのが「アナフィラキシーショック」で、生命が危ぶまれる危険な状態です。
食物アレルギーの3大アレルゲンは卵・牛乳・小麦。乳幼児のころにアレルギー症状が出てしまっても、3歳で5割、6歳で9割が卵・牛乳・小麦を食べられるようになるので、基本は原因物質を「除去」して、自然に治るのを待ちます。
血液検査や皮膚テストだけでは不確定。食物負荷試験で確定診断を
離乳食時期に発覚することが多い食物アレルギー。病院ではどのように食物アレルギーと診断するのでしょうか? 診断方法はいくつかあります。
基本となるのは問診です。いつ、何を、どのような形態で、どれくらいの量を食べたら、何分後にどんな症状が出たか。この情報だけでもアレルギー専門医にはある程度診断がつくので、しっかり記録しておきましょう。さらに、血液検査、皮膚テストを行い総合的に診断します。
しかし、血液検査や皮膚テストの値は絶対ではなく、検査の値が陽性でも食べられたり、陰性でも食べられなかったりすることがあります。診断がつかない場合は、食物経口負荷試験(以下、負荷試験)が必要になります。