アトピー性皮膚炎の患者さんの割合は、軽症な人も含めると10人に1人と言われています。しかし、アトピー性皮膚炎は適切なステロイド外用薬を正しく使えば、きちんとコントロールできる病気です。冬のアトピー性皮膚炎のコントロールのコツ、入園・入学に備えてやっておきたいことを、国立成育医療研究センター・アレルギー科の大矢幸弘医師にお聞きしました。

適切な強さのステロイド外用薬を、適切な量塗れば1週間でツルツル肌に

 ステロイド外用薬は下の表のように、強さによって5段階に分類されています。適切な強さのステロイド外用薬を、適切な量塗れば、子どもなら数日から1週間で皮膚を完全につるつるの状態にもっていくことができます。

 改善しない場合は、ステロイド外用薬の強さが適切でないか、とびひや真菌など、何らかの感染症が起きている可能性があるので、医師に相談しましょう。

 子どもの場合、顔にはⅣ群、体にはⅢ群が処方されることが多いです。

赤みが引いて皮膚がきれいになってからが治療のスタート

 ステロイド外用薬は、長期で使うと皮膚が薄くなるという副作用があります。しかし、適切に使えば副作用を出さず、アトピー性皮膚炎を治療することができます。外用薬治療は次の図解のように、「寛解・導入療法」「寛解・維持療法」の2つに分かれます。